「それでは今日の予定を言います」
姉の孫二人を連れて春野に出発する前に実家の玄関で話した。
二人は大きな声で元気よく返事した。
なにより嬉しそうだったのは残る母親祖母そして曾祖母だった。
到着してすぐに枯葉を集めてシチリンに火を起こした。
燃え盛る火の中にさらに枯葉を投入するのは少し勇気が要った。
煙が立ち込め臭いが充満する中で、その火を炭に移す。
今度はウチワで扇ぐあおぐ。
暑くなって下着姿でウチワを振る、その横で火バサミを持って立つ私の姿は、まるで子供達を働かせる酷い大人だ。
起きた炭火で肉や魚や野菜を焼いてほおばる。
「美味しい」
私が山から切り出して立てかけておいた丸太は、そのまま滑り台になった。
まだきれいに磨いてないから枝は落としたが突起は出ている。
光君(来年小学生)が下向きに降りてくる途中で股間を打った。
痛そうな顔をして私に近寄り「股間打って勃起した」と言う。
そんな難しい言葉を、もう使うことに驚いた。
しかし使用方法は間違っている。
今度は仰向けになって下りてくると突起を尻に当てたが勢い余って、そのまま着地した。
痛さをこらえた。
しかしあまりの痛みにジットしていられない。
門から出てウロウロし、そのまま悪顔して戻ってきた。
「おお、どうした、打ったか。可愛そうに。どれどれ」は言わない絶対に。
自己責任で遊ぶのが原則であり危ない場所で遊ぶのだから痛みは付き物だ。
15分歩いて滝まで行った。
といっても歩いたのは大人だけで子供達は棒を持って坂を追いかけっこして下ったり登ってきたり。
滝ではカワガラスを見つけた。
長靴に履き替えてズボンの裾を長靴の中に入れた。
その5秒後光君は、いきなり深みに入って長靴とズボンの裾はびしょぬれだ。
虎太郎君(小学4年生)はひょいひょいと川の中の石の上を飛んで向こう岸を散策した。
光君も同じように付いていこうとするから、それは危険だ。
「待った。だめだよ、そのまま行っちゃ。こっちの浅瀬を行きなさい」
と目は放せない。
虎太郎君が鹿の角を発見した。
私が4年間探しても見つからなかったものだが頭骸骨付きで2本の角が着いた完璧な物だ。
石垣と水路の中でカエルと出会いカモシカの糞を見つけサワガニを掴み地上に盛り上がった木の根の下に入ってみた。
家に戻る途中で光君が急に燃料切れを起こした。
今の今まで走り回っていたのに「もう歩けない」と言い駄々をこねだした。
すかさず兄貴がなだめたりおんぶしたりする。
「いいよ。そこに居ろ」とつっけんどんに私が言う。
しぶしぶ歩いて家まで辿り着いてお茶を飲みお菓子を食べると、もう充電完了だ。
「外で遊んでいい?」
と家の中から二人で飛び出していった。
あきれるほど強いバイタリティー。
普段家の中で大人しくしているほうが不思議に思える。
帰宅して自宅に解き放つ犬と飼い主のような、みなの笑顔。
私たちの笑顔は義務から解き放たれた安堵。
子供達は土産話をし始める。
迎えた大人たちは一日ゆっくり出来た余裕が見える。
めでたしめでたし。
姉の孫二人を連れて春野に出発する前に実家の玄関で話した。
二人は大きな声で元気よく返事した。
なにより嬉しそうだったのは残る母親祖母そして曾祖母だった。
到着してすぐに枯葉を集めてシチリンに火を起こした。
燃え盛る火の中にさらに枯葉を投入するのは少し勇気が要った。
煙が立ち込め臭いが充満する中で、その火を炭に移す。
今度はウチワで扇ぐあおぐ。
暑くなって下着姿でウチワを振る、その横で火バサミを持って立つ私の姿は、まるで子供達を働かせる酷い大人だ。
起きた炭火で肉や魚や野菜を焼いてほおばる。
「美味しい」
私が山から切り出して立てかけておいた丸太は、そのまま滑り台になった。
まだきれいに磨いてないから枝は落としたが突起は出ている。
光君(来年小学生)が下向きに降りてくる途中で股間を打った。
痛そうな顔をして私に近寄り「股間打って勃起した」と言う。
そんな難しい言葉を、もう使うことに驚いた。
しかし使用方法は間違っている。
今度は仰向けになって下りてくると突起を尻に当てたが勢い余って、そのまま着地した。
痛さをこらえた。
しかしあまりの痛みにジットしていられない。
門から出てウロウロし、そのまま悪顔して戻ってきた。
「おお、どうした、打ったか。可愛そうに。どれどれ」は言わない絶対に。
自己責任で遊ぶのが原則であり危ない場所で遊ぶのだから痛みは付き物だ。
15分歩いて滝まで行った。
といっても歩いたのは大人だけで子供達は棒を持って坂を追いかけっこして下ったり登ってきたり。
滝ではカワガラスを見つけた。
長靴に履き替えてズボンの裾を長靴の中に入れた。
その5秒後光君は、いきなり深みに入って長靴とズボンの裾はびしょぬれだ。
虎太郎君(小学4年生)はひょいひょいと川の中の石の上を飛んで向こう岸を散策した。
光君も同じように付いていこうとするから、それは危険だ。
「待った。だめだよ、そのまま行っちゃ。こっちの浅瀬を行きなさい」
と目は放せない。
虎太郎君が鹿の角を発見した。
私が4年間探しても見つからなかったものだが頭骸骨付きで2本の角が着いた完璧な物だ。
石垣と水路の中でカエルと出会いカモシカの糞を見つけサワガニを掴み地上に盛り上がった木の根の下に入ってみた。
家に戻る途中で光君が急に燃料切れを起こした。
今の今まで走り回っていたのに「もう歩けない」と言い駄々をこねだした。
すかさず兄貴がなだめたりおんぶしたりする。
「いいよ。そこに居ろ」とつっけんどんに私が言う。
しぶしぶ歩いて家まで辿り着いてお茶を飲みお菓子を食べると、もう充電完了だ。
「外で遊んでいい?」
と家の中から二人で飛び出していった。
あきれるほど強いバイタリティー。
普段家の中で大人しくしているほうが不思議に思える。
帰宅して自宅に解き放つ犬と飼い主のような、みなの笑顔。
私たちの笑顔は義務から解き放たれた安堵。
子供達は土産話をし始める。
迎えた大人たちは一日ゆっくり出来た余裕が見える。
めでたしめでたし。