毎年暑くなる頃になるとジャイロを洗うことを思いつく。
洗車した後つや出しを掛ける。
今年は高圧洗浄機を使用することを思いつく。
高圧洗浄機は、もう使用しなくなって何年にもなる。
春野の物置のどこに置いてあるのかは覚えている。
ジャイロを洗いやすい場所に移動してから半ズボン ゴム草履に替えた。
高圧洗浄機の電源コードをコンセントに差し込み洗車ホースを巻いた状態から長くした。
何か変だと思いついた。
長いこと使っていなかったので忘れていた。
高圧洗浄機のホース先端に、専用のノズルを取り付ける必要がある。
それを持ってくるのを忘れた。
だが無い物は仕方がない。
恰好まで準備しているので、そのまま決行した。
高圧洗浄機に水道ホースを繋ぎ電源を入れた。
いつも通りけたたましい音と共に水が出た。
ところが水の勢いは洗浄機の音とは裏腹にジョボジョボと全く洗車には使えないほどの勢いだ。
これじゃあ先端を指でつまんでホースを細くしたほうが水圧は強い。
やっと諦めがついた。
水道ホースのみで洗車することにした。
ジャイロの特性を生かし少し斜めにしておいて、その洗いやすくなった部分を洗っていた。
「ザザーン」とジャイロが倒れた。
幸い壊れた部分は無かった。
水洗いが終わり、その水が乾いた後プラスチック磨きで磨く。
シュシュッと振りかけると剥げていたプラスチックが突然元の色に戻る。
プラスチックであろうとビニールであろうとゴムまで全て、この磨き剤を振りかける。
終わってみれば見違えるほどの仕上がりだ。
年に一度ではなく何度も、と何度も感じたが、やはり暑くなって水をいじりたくならないと洗車を思いつかない。