無料動物園に行ってきた。
といっても全員が無料ではない。
70歳以上は無料なのだ。
今日から妻は無料になるので、その記念に行ってきた。
私は先日無料になった。
免許証を見せると「ああ。今日からですね」としっかり確認して入れてくれた。
何年振りかの動物園だ。
日なたでウトウトしている動物たちを見ると気の毒に思えた。
エサをもらえることはいいとしても飛び回ることも別の所に移動することもできない。
興味を引いたのはクロヒョウだ。
だらしない姿勢で眠る仲間のなかで2頭のクロヒョウが目を光らせて一点を凝視している。
眼が活き活きしている。
何を見ているのか。
その先を見てみると幼稚園児くらいの子供たちが3人できゃあきゃあ言いながら走り回っている。
ああ。これを捕らえて食べたかったのだなあ、と想像した。
私の横を飼育員らしい男性がノコギリを持って通り過ぎた。
眼で追うとサルの施設の裏に入っていった。
どこかの修理をするのだろうと思っていたら、サルのオリの後ろの上を歩き、そこからオリに枝を投げていた。
彼らのエサを与えていたのだ。
今そこに生えている木の枝と葉っぱがエサだ。
新鮮ではあるが自分の選んだものではない。
私たちはと言うと、この後どの店に入って何を食べるのかも決めていない。
人間としてこの地に生まれて良かったと実感した。
食物があればそれでいいというものではない。
こういうことを学びに来ているのかと感じた。
感謝して今この時間をまじめに楽しみたいとつくづく思う。