「こんにちわッ、テディちゃでス!
あううゥ、こへいたさァ~んッ!」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!平八郎さん~!)
こんにちは、ネーさです。
大河ドラマ『どうする家康』第44話で、
榊原康政さんと本田忠勝さんが退場の時を迎えました。
元気な平平コンビがいなくなるのは寂しいものですが、
さあ、読書タイムで気持ちを立て直しますよ。
本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪
―― 狐には向かない職業 ――
著者はジュノー・ブラックさん、
原著は2015年に、日本語版は2023年9月に発行されました。
英語原題は『SHADY HOLLOW』、
冒頭の『プロローグ』で
“はるか北の果て……“と紹介されるシェイディ・ホロウ村に暮らす
動物たちの物語です。
「ぜんいんッ、どうぶつゥ~でス!」
「ぐるるがるるるぐるるるがるる!」(←訳:クマやキツネやカラスにヒツジ!)
多種多様な動物たちが、
シェイディ・ホロウ村では“共存“しています。
アイツを今日のランチにしよう!
今夜の御馳走はヤツらさ!
なんて野蛮ことは、人間の世界に任せておいて、
のどかな村で人気なのは……ゴシップ?
「ききみみィ、たてちゃおうゥ!」
「がるるるぐ~るるる!」(←訳:うわさ話だ~い好き!)
季節は8月末の晩夏、
ハチドリのグラディス・ハニーサックルさんは、
森で見つけてしまいました。
ヒキガエルの、オットー・ズンフさんの死体を。
村で唯一の新聞社《シェイディ・ホロウ・ヘラルド》に
勤務するグラディスさん、
大ニュースだわ!と躍り上がるより前に、
動揺して、平常心を失います。
なので、新聞社のオフィスに到着後、
キツネのヴェラ・ヴィクセンさんに様子を不審がられ、
問い質されたグラディスさんは
喋ってしまったのでした。
「はやくゥ~けいさつへッ!」
「ぐるがるるぅ!」(←訳:通報しましょ!)
通報は、ええ、します、
しますよ、もちろん。
ただし、現場をちょいっと覗いて、
写真を撮ってからね。
と、ちゃっかり派のキツネのヴェラさんは、
記者としてのお仕事を済ませてのち、
警察署へ向かいました。
通報後も、さりげなくクマのミード署長や
ヒグマのブラウン副署長につきまとい、
事態の推移を見守っているうち。
「たかまるゥ~ふあんッ!」
「がるるぐるる……?」(←訳:もしやこれは……?)
事故ではなく、事件?
カラスの古書店主レノーラ・リーさんの協力を得て、
ヴェラさんは本格的に調査、
あら失礼、”取材“に乗り出します。
すると――
「ふァいッ、そこまででスゥ~!」
「ぐるるるがる~!」(←訳:ネタバレ禁止~!)
コミカルな描写と、
シニカルな笑いと、
徐々にハードボイルド度を増してゆく
記者ヴェラさんの“取材“力。
はたしてヴェラさんは、村の動物たちは、
平和な日々を取り戻すことが出来るのか。
ミステリ好きな活字マニアさんは、
動物ものぉ?
アニメじゃないんだから~などと食わず嫌いせず、
ぜひ、手に取ってみてくださいね。
読みながらふと気付けば、
シェイディ・ホロウ村とキツネ記者さんに
すっかり肩入れしちゃってますよ~♪