この「福家警部補の挨拶」という本は、冒頭で犯行をおかす一部始終が犯人の視点で描かれ、その後捜査担当の福家(若い女性)警部補がいかにして事件の真相を手繰り寄せ 犯人を追いつめていくかを、かつて(1970年代~80年代?に)NHKで放送されて大ブームになったミステリードラマ「刑事コロンボ」式に描く倒叙形式の本格ミステリーで、4編の連作短編集です。
4編とも一定のレベルに達しているミステリー作品であり、楽しく一気に読めました。
主人公の福家警部補は若い女性で、髪はショートで縁なしメガネをかけた童顔でチビ、よって中々現場に入れてもらえないが、めっぽう酒に強く映画好きだが、「刑事コロンボ」程のアクの強さが不足気味で、「刑事コロンボ」を知る人間としては、そのキャラクターにちょっと物足りなさが残る読後感でした。
でも、お薦めできるミステリーです。
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尚、フジテレビ系で今日1月14日スタートの火曜21時の連続TVドラマ(壇れい主演、稲垣吾郎、柄本時生、等々)の原作です。
大倉 崇裕(おおくら たかひろ)著。
創元社文庫。 347頁。
2008年12月12日 1版。
2013年 8月23日 6版。
定価(本体800円+税)=840円