第2539回や第2540回で今のクルマ社会から環境を重視した公共交通への変換を計るためにはコンパクトシティを目指すしか方法が無いかもしれないと書きました。
少し古くなりますが7月29日の日本経済新聞の社説が嬉しいことを書いてくれていました。
社説 低炭素社会に向け都市構造を集約型に(7/29)
・・・略
CO2の排出量は都市構造との相関性が高く、中心地区の人口密度が低い地域ほど、住民1人当たりの排出量が増える傾向がある。住宅や商業施設が分散していると自動車の利用が増える。就業者1人当たりでみた事務所の床面積も広くなり、業務部門の排出量をその分押し上げる。
日本の都市構造は戦後しばらくまで、おおむね集約型だった。だが、高度成長期以降、車の利用を前提とする無秩序な郊外の開発が急速に進み、拡散型に変わった。徒歩や自転車で行ける範囲に諸機能を配置するコンパクトな街を歴史をかけてつくり上げ、それを維持してきたドイツや英国などの都市とは対照的だ。
公共交通網の再整備を
この構造を変えるためには都市計画による誘導と交通政策をうまく組み合わせる必要がある。公共施設や商業施設、住宅をなるべく集約し、次世代型路面電車(LRT)やコミュニティーバスなどの公共交通網で結ぶ。最寄りの駅の駐車場まで車で来てその先は鉄道を使うパークアンドライドの普及や、自転車専用レーンや駐輪場の整備も有効だろう。
県庁所在市のうち岡山市や長崎市など路面電車が残っている都市は、車を優先して電車を廃止した都市と比べ人口当たりの運輸旅客部門の排出量が1割強少ない。富山市は路面電車の整備をてこに街を集約型に変える試みを始めた。福井市や堺市などもLRT導入を検討中だ。生活関連機能が中心部に集まれば行政サービスの費用を抑えられ、車を運転できない高齢者の利便性も高まる。
国連人口基金によると08年には世界の人口の半分は都市居住者になる。日本でも都市化の流れは止まらないだろう。長期にわたる継続的な取り組みが必要な温暖化ガスの抑制は、都市の持続可能性にもかかわる命題だ。高齢化の進展に対応すると同時に低炭素社会の構築を強く意識した都市づくりが問われている。
やはり目指すべき方向はこれしかなさそうです。地方都市もコンパクトにすれば路面電車など公共交通も十分採算が取れるようになるかもしれません。地方都市で成功すれば、大都市は地方都市が幾つも集まった物として考えればもっと採算は取りやすいでしょう。
そして、都市への集合によって余った郊外の土地を集めて大規模農業をやれば食料自給の問題も解決しそうです。
そのためには、第2648回でも取り上げた土地の公有化も考えるべきでしょう。これこそ世界の模範となる国家計画じゃないでしょうか。こんなことをやる政治家は出てこないものでしょうか。
安倍さんじゃ無理かな!