明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



自分でやった事により気が付く、その最たるものが『慧可断臂図』の慧可だろう。以前私の慧可をインスタに上げようと、横着して寝転がったままスマホで手持ちの慧可を広角で撮った。墨絵にはあり得ない写真的画であったが、これが今までの私の撮り方だ、と思ったら、取り入れるのは陰影削除だけで、逆遠近法など要らない、とようやく気が付いた。 慧可は、達磨大師に教えを乞い、結果中国に禅を広めていく。その割にのっぺりした顔で物足りない。弟子入り志願者が髭ヅラでは失礼では、と思っていた。当時の価値観は不明だが雪舟作では顎髭を生やしている。それならば、と思い詰めた男がいつの間にかボウボウと生えてしまった感じに、と仲代達也か高田渡調髭を生やした。そして雪舟作とは違い、慧可の思いに気付き、背後で振り返る達磨大師。四十年前から度々引用してきた、マックス・ローチ『WE INSIST!』のジャケットの振り返る男調に。これで私の『慧可断臂図』は決まった。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


« 古典絵画の視点 紅白達磨 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。