明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



糠床、エアコンもない台所で室温でしのいだ。生卵を殻ごと入れる。殻は溶ける。 『虎渓三笑図』は、横位置の作品と縦位置の二種を同時に制作している。作業台の上で山水風景を作ろうと考えていたが、イメージのためなら、どんな卑怯?なことさえ辞さない私は道端の石ころ、水槽用の流木さえ使おうとした。流木はさすがに使わなかったが。〝独身者の部屋はノックしないで開けるな”という。何をしてるか判らない。 以前は寝床に本をばら撒いて、寝心地悪くして睡眠時間を削って制作したが、さすがに最近はスタミナ切れというか、もうダメだ、というのがはっきり判る。突然立ち上がると、パソコン電灯着けっぱなしでバッタリ。先月は無呼吸症候群用のシーパップを着けられたのは5日。着けなくちゃと思いながら毎日気が遠くなった。やっててよほど面白くなければこんなことは出来ない。明日は3カットの最終チェックと、山水風景の続き。

Don't Think, Feel! 寒山拾得展
人形作家・写真家 石塚公昭 作家活動40周年記念

10月13日(木)〜11月6日(日)

ふげん社イベントページ



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『虎渓三遊笑図』誰の作品かは忘れたが、額に手をやり「てへっ」という表情の作品があり、人間のすることはあまり変わらないものだ、と可笑しかった。 改めて思うに、室町時代を中心に、道釈人物画の世界は、荒唐無稽、漂うユーモア、描き継がれ、こなれまくったモチーフ、中年、老年男専門に制作してきて40年。あらゆる点で私向きのモチーフである。問題といえば本家中国でも忘れられ気味の時代遅れにも程がある、というところだが、三島由紀夫が死んでいる様子で2回個展をやった私がそんなことを気にしていたらむしろヘンだろう。 写真を始めだ時からプリントをお願いしている田村写真の田村氏より手漉き和紙にプリントした様子が届いた。第一弾。対として二点並べる『蝦蟇仙人』と『鉄拐仙人』昔の浮世絵などにあるように、2点地続きの作品を2点に分けた設定。鉄拐の昨日撮影した盆栽の松の木が効いた。2年前個展が決まった時点の私に間もなく蝦蟇仙人を作ることになるぞ、といってもふざけたこというな、というだろう。

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人形作家・写真家 石塚公昭 作家活動40周年記念

10月13日(木)〜11月6日(日)

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中国の水墨画、山水風景には松が付き物である。実際の中国の山にはよくこんな所にという所に生えている。盆栽も崖に無理やり捻れながら生えているような物を採取し市に出され、そこから将来性のあるのを選ぶのがミソだと聞いた。本日撮影した盆栽も、中国の自然の中に生えている松を理想としたと聞いていた。『四睡図』で使うつもりだったが、虎に似合うのは古来より竹と決まっている。竹三本で終わってしまった。ならば鉄拐仙人の背景に。   あれは寒山拾得から仙人など暴走を始めた頃だったろう。ここまで来ると知り合いは、横目で遠くから眺めているような有様で、すでに話し合う相手もいない。望むところではあるものの。面識のある人で、唯一浮かんだのが、東雅夫さんであった。今度こんなことを、と作りたて画像をお送りしていた。そして会期中、リコーイメージングについでトークショーのお相手をしていただけることになった。

ギャラリートーク 石塚公昭×東雅夫(文芸評論家)
日時:10月23日(日)14:00〜15:30
会場:コミュニケーションギャラリーふげん社
参加費:1000円

Don't Think, Feel! 寒山拾得展
人形作家・写真家 石塚公昭 作家活動40周年記念

10月13日(木)〜11月6日(日)

コミュニケーションギャラリー ふげん社

03-6264-3665

〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12

アクセス:

・目黒駅より徒歩15分 ・目黒駅西口発 東急バス「元競馬場前」下車 徒歩1分

 



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ようやく完成済みの作品データを田村写真に第一陣を送る。陰影をなくして以来の手漉き和紙である。うち三点をパノラマサイズの用紙を縦に使う。『初鴉』(一休宗純)『慧可断臂図』『虎渓三笑図』。 さらに中から数点大伸ばししたプリントを展示する予定。もし『臨済義玄』を拡大したら、昔の怪獣映画の立て看板の恐ろしさだろう。ゴジラの目が電球で光った。 2200万で落札されたといわれたジミ・ヘンドリックスが使ってたという日本製ギターが結局最低落札額に届かず再び出品されたという。改めて見て、約50年前に近所の幼馴染が、秋葉原で千円で買ってきたギターと同じ物で間違いない。初めて触ったエレキギターで克明に覚えている。ボディ、ネック共にラワン材で分厚いボリ塗装。音は抜けが悪くネックは極太、先から根元までほぼずん胴。幼馴染はとびきり手が小さかったから、弾きづらそうにしていた。

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人形作家・写真家 石塚公昭 作家活動40周年記念

10月13日(木)〜11月6日(日)

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なんで今、予定外のこんな作品を作ることになったのか、行き当たりばったりだ、人間ダウジングロッドだ、なんて実際人に言っても納得はしてくれない。子供の頃、遊んでいて火事の煙を見て2人で見に行こうと、しかし近くに見えて実は遠く、知らない街で帰れなくなった、あんな感じである。なので、後でブログをチェックしてその経緯を確認しよう、といつも思うのだが、過ぎたことはどうでも良くなってしまう。だいたい読み返すにはこのブログは長過ぎる。 いつの間にか仏教や、仙人などの道教的な、いわゆる道釈人物画のモチーフを作っていた。熟考の末の行いとは思えないのである。まあ荒唐無稽で、手付かずに置いておくに面白すぎる。何しろ不老不死や、鯉が龍の子供時代の姿だ、と思い込んでるような世界である。火事の時はタクシーで帰って物凄く叱られた。持っていて10円だったろう。

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10月13日(木)〜11月6日(日)

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一日  


昨日は限界が来て早めに寝てしまった。ピストルに撃たれたようにと言われる寝付きの良さだが、昨日は弾が当たる前に寝ていただろう。午前中に四睡図』を完成させふげん社に送る。『蝦蟇鉄拐図』もそうだが、主役が濃いので背景は襖のシミ程度におさえた。これで残るは『虎渓三笑図』と鯉に乗った『琴高仙人』となった。厄介なのが残ったといえなくもないが。いや今回はすべてが厄介であった。    これはいつものことだが、同じことを続けているつもりで、ちょっと違って来る。例えば陰影を無くすことが最重要課題だったのが、それは構図の自由さを取り入れる目的を果たしているが、出来て仕舞えば、もう最重要ではなくなっている。考えるな感じろは、自分自身をダウジングロッド化し、水脈に向けて進むようなものだろう。作家シリーズから今回のモチーフに変わり、はっきりした。行き当たりばったりを考えるな感じろでは偉そうなのでDon't Think, Feel! 寒山拾得展となった。

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昨日虎に寄りかかり眠る豊干禅師を制作、これで一睡図。豊干を作っている時、書いたが、瞼のせいで、俯かせると寝ているように見える。これに寒山と拾得を足して『四睡図』となる。二人は粘土調でデジタル処理。一休宗純の時、粘土で目を塞いで面倒なことになった。虎を隠れさせたくないこともあり、寒山拾得は作るところを少なく済ませる。四人が仲良く寝ていることにより、善の精神を表しているという。告知用の画像、文字データを本日中に送るはずだったが、四睡眠は間に合わず。限界が来て夕方寝たら日を跨いでいた。 寝ている虎を撮れず、仕方なく一起三睡図にすることも考えたが。多摩動物公園にいる知人に送ったらなかなか、これは撮れないと言われた。検索しても首は上げていて、人前で無防備に死んだようには寝れないのかもしれない。朝までには完成するだろう。



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昨日はくたびれて寒山拾得を作らず、撮って来た岩を『蝦蟇鉄拐図』に配して終わり。本日は午前中に個展用のステートメントおよそ600字を書く。しかし知らないこととはいえ、座禅もしたことないのに臨済宗宗祖を作ってしまったが。昔、イベントでバレエ『薔薇の精』を一度観ただけで翌年、ニジンスキー、コクトー、ディアギレフで個展を催してしまったが、あの頃私も若かった、と遠くを見る目をしていたはずだったが、何にも変わっていなかった。死ななきゃ治らないとはこのことか。臨済義玄がすましてただ斜め45度見ていたら作ることもなく、ひとえに喝!の激烈な表情ののせいである。 昔は友情を持って止めてくれた友人らも、寒山拾得に至り、遠くからただ無表情に眺めているという有様である。それは連中の立場になれば私にも理解は出来る。  臨済義玄を含め、事情が判ってくるにつれ、知っていたら作らなかったであろう作品も多いが、お陰で作ることが出来たともいえる。何でも都合良く解釈するといわれるが、そういえばあまり後悔しない体質かもしれない。



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YouTubeで鯉の捌き方を見た。職人の爺さんが、鯉コク用の切り身はあまり血を洗うと脂まで流れてしまうといっていた。新鮮だからの話だろう。そこに玄関に人の気配。女性二人の声がするので、もしや、と思って出ると、エホバの証人』無言でドアを閉める。あまり水で洗っちゃダメだそうだぜ?鯉だけど。 曇天なので撮影に出かけてみた。名石も松の木もいくらでもあったが、撮ってるうちに私の作品には私が作った岩や、松の木も盆栽こそが似つかわしい気がして来る。まあせっかく来たのだから、と目ぼしい物を撮っておく。ここ何年も、達磨大師の面壁九年ではないが散歩嫌いが座りっぱなしで、それこそ足腰弱り、くたくた。出不精もついに極まり、中国の山水風景も作業台の上で。ということとなった。 陰影については、光の方向性をさだめるのを止めさせれば自由になれるが、実はそれだけのことであり、立体制作者として肝心なのは濃淡による立体感であろう。結局は写真は光なのだ、と思うに至った今日この頃。

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眠る虎に寄りかかり眠る豊干禅師。これにて『ニ睡図』。あとはこれに寄り添い眠る寒山と拾得で『四睡図』となる。 しかし立っている虎をわざわざ寝かせたので、寒山と拾得で虎を隠したくない。多少不自然だが不自然さはむしろ望む所である、作った部分は見せたい。そうしたものである。二人は虎の後ろなど、邪魔にならないよう配したい。となると大きな虎に隠れて、作る部分が少なくなる。私の場合、被写体制作者と、俺の拾得がこれじゃ目立たないではないか、などと揉める心配だけはない。これで、明日中もしくは夜中には、危うくボツになるところだった『四睡図』は完成するだろう。



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被写体制作と撮影の二刀流というのは、だからこそ、被写体と作品のイメージのズレが気になる。誰でも画像処理その他でそのズレを埋めようとするのだろうが、私の場合、いつしか粘土で造形するつもりでペタペタとコピペを多用するようになった。 18でデッサンなどやったことなくても入れた工芸学校で、授業でリンゴを作る課題があった。美大浪人や経験者などいたが、当たり前のように、いきなりリンゴ大に粘土を丸める未経験者の一団がおり、私もその一味であった。そこで当時は若く、後に女子美の学長となる先生に、リンゴの芯をイメージし、いきなり丸めず肉付けしていくよういわれた。そういうものか。以来、陶芸の道からは足を踏み外したが、未だにペタペタやっている。あのリンゴから幾年月、本日はモニター見ながらウロウロ歩き回って落ち着きのないアムール虎をバラバラに切断してペタペタやって地面に横倒らせ、その腹に寄っかかって眠る老人、豊干禅師をこちらは粘土でペタペタ。

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上野動物園で撮影した落ち着きがなく、ウロウロ歩きっ放しだったアムール虎を、一日かけてぶち倒し寝転がした。自然に寝転がる虎を撮るより私らしく、正解であったろう。寝ている虎が撮れない、多摩動物園じゃどうだ、とマコトを写すという写真に対してブツブツ言っていながら情けなかったが、これで『四睡図』が加わり、当初の予定通りのラインナップとなるだろう。    最近質感に変化が出てきたことと関係があるが、素人の女性を作中に登場させる場合、差し障りもあり、顔を変えることが多い、私の場合、粘土造形の要領で、コピーアンドペーストで制作する。『ゲンセンカン』の女主人は顔をマンガに寄せた。しかしそれはむしろ、人形作品でこそ行うべきだ、と今回、積極的に多用している。粘土の要領でのコピペによる再造形は、本当のことなどどうでも良く、夜の夢こそまことである私を、さらに増長させる結果となるだろう。明日は虎に寄りかかり眠る豊干を制作。

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台風が近づく小雨のうちに、足りない部品を撮りに行こうか迷う。それがないと、今晩何をすれば良いのか.というところである。幼稚園児の頃、台風の休園日、佃の渡し船を描いていて、母が止めるのも聞かず、渡し船の東京都のマークを見に、マンホールの蓋を見に行った。三つ子の魂百まで。想えばなんと選択肢の狭い人生だったことであろう。それはともかく。追加した粘土が届く。 時間が許せば、と考えていた『四睡図』は寝ている虎が間に合わず断念した。いや寒山と拾得と豊干で『三睡図』なら可能である。いやなんなら四つ足で立ってる虎はあるから『一起三睡図』も可能である。だがしかし、虎如きに、、と。自然な状態の虎なんか誰が撮るか.立ってる虎を蹴倒し、手足頭をバラバラにして、粘土扱いして地べたに寝かせてやろう。初志貫徹といこう。正式タイトル決まる。トークショーも予定している。

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それにしても、写真の、まことを写すという意味に対して蛇蝎の如く嫌い、まことなどという物に一切関わりたく無い、とまるでエンガチョのように抗い続け、ほとんど腹を立てる始末である。何故そこまでマコトに対して拒絶反応を起こすのか?何かあった覚えはないし。字義通り、光画とでも着けてくれれば良かったものを。そのリアルさにびっくりして思わずつけてしまった、というところだろう。日本人は、ずっと変な遠近法を使ったり、陰影を描かなかったりして来たくせに、いまさら何がまことだ、と.葛飾北斎が西洋化して行く様にまで腹を立てる始末。   それでも良くも悪くも私の根幹を成す物ではあることには違いない。と蝦蟇仙人の背景に竹を配したり、鉄拐仙人の口から分身を吐させている私であった。

 



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昨日、岩窟内の達磨大師をやり直して、もう実際の岩壁など撮る気はなくなった。いずれ岩窟に住む寒山、そこに訪れた拾得を作りたい。曾我蕭白の結晶みたいなヘン岩は嫌だが。 本日も晴天で石橋を撮りに行けず、翌日に発送とあるので、活き鯉を注文しようと手続きを進め、注文用カレンダーを見ると最短で5日となっている。これだから嫌なんだよ。写真の欠点、無い物は撮れない。注文を止め、癇癪起こしてトンカツを食べに行く。 多摩動物公園に知り合いがいるので、虎の展示状況を撮影して送ってもらった。虎の姿はない。ライオンは外でグウタラしているが、虎は出てこないことが多いらしい。もう判った!撮れるかどうか判らない物など要らない。虎と寒山拾得、豊干が寝ている『四睡図』今回は止めた。 その代わり『慧可断臂図』の岩壁が思いの外上手くいって気を良くしている。これなら地面も何も作ってやろう、と。代わりに新たな寒山拾得を加えることにした。まことなんか最初から写す気はない。私の行手の邪魔ばかりである。今後画面からますますホントのことが消えていくだろう。



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