早朝T屋へ撮影機材を持ち込む。三脚と日本髪のカツラは先週のうちに運んでおいた。お茶付けを食べ、父親にAちゃんが起きてくれることと化粧はあくまで薄めにを託して錦糸町のヨドバシへ、調子の良くないバッテリーチャージャーを念のために買う。 T屋に戻り、Aちゃんが降りてくるのを待つ。上で柔道の受け身でもしているのか、という音が聴こえる。起きてはいるようである。念のため、外出中のお米ことT屋のかみさんに、化粧は薄めに、とメールでAちゃんに伝えてもらう。素人を被写体にする面白さと危険さは充分沁みている。何が起きてもおかしくない。 12時ジャストにAちゃん登場。タクシーにてMさんのマンションへ。『貝の穴に河童の居る事』(風濤社)は、海岸のシーンはこちらの駐車場で撮影した。二人の漁師が丸太に巨大魚をぶらさげ運ぶシーンも。本日もお借りした和室のゲストルームでは、座敷に巨大魚が降って来たり、人間どもが、河童に化かされ踊らされたり等々撮影した。特に着物のまま海に足下まで浸かったシーンは自分で見ても上手くできたと思うが、どうやったかは思い出せない。 到着すると、今回も着物をお借りし、着付けをお願いするMさんの奥さんが、すでに着物を並べて準備をしていただいていた。用事で一時間遅れるお米の前にお露の着付けをお願いする。問題はカツラである。なかなか上手く装着できず、なんだか不自然だが撮影を始める。演技をしてもらった河童の時と違い、今回は幽霊である、カランコロンと歩いているといっても棒立ちに近い。室内用と角度違いを2種類撮るだけである。手の位置、見つめる場所だけ伝えて繰り返し撮る。次にお母さんのお米。先に撮ったお露に寄り添う想定で。牡丹灯籠を持ってもらう。今回は4秒の露光時間である。河童で懲りた、かみさんのまばたきだが、Mさんにチェックしていてもらうことにした。おかげでほぼまばたきなし。 帰宅後別々に撮った二人を並べた。カツラの不自然さを直すのに手間がかかったが、一眠りして只今完成。後は背景を撮影し、ヒトダマを配置すれば『牡丹灯籠』は完成である。
HP
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