明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昨年のグループ展の搬入の直前、絵の具が乾いておらず、額装時に駄目にしてしまった江戸川乱歩の『盲獣』。こういう場合、あの時失敗して良かった、というくらいの作品にならないと悔しくて耐えられない。なんとかリベンジなる。『盲獣』を出品するとなると、当初の人形を一切登場させず、という予定が崩れるわけだが、我慢できる訳がない、とも考えていたので、やっぱりという感じである。 人形作品を加えるといっても何でもいい訳ではないので、せめてヌードが登場する作品に限ろう。となると江戸川乱歩、谷崎潤一郎、村山槐多、中井英夫を各1点づつというところか。

どこかの王様に、画用紙やクレヨン、粘土などが用意された石の塔に幽閉され、ここで好きなことだけやっておれ、という境遇を幼い私は夢見ていた。だがしかし、5時過ぎに石の塔をこっそり抜け出し、塔での成果である、例えば谷崎の頭部をポケットから出して常連に見せたりしながら、キンミヤ焼酎で馬鹿話に興じる。この辺りはまったく想定外であった。本日はロサンゼルスで幼稚園を経営する友人が、姪二人を連れてK本へ。手前のお姉さんは美大に通いながら『革命倶楽部』という活動を。170センチの高校生の妹は、8×10インチのカメラに古典レンズを取っ替え引っ替えしていたころ撮影したことがある。 生まれて間もない赤ん坊であったが。 こうしてみると塵芥で煙ったような常連席のスス払いになったようである。

制作法

インキング映像

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




先日の撮影後、雑事が続き、ようやくデータのチェック。河童を怪しく撮ろうと入手した西ドイツ製のレンズと、今時のズームレンズを混ぜこぜに使った。マニュアルで撮った分に少々手ぶれ。 谷崎潤一郎展は4月だが、谷崎像の引き渡しは3月に入ってすぐなので、気になったところを修正。特定の作家に夢中になった、といえば中学生になっての谷崎と乱歩である。二人は2日違いで亡くなった、共に没後50年の作家である。作家シリーズ最初の一作は澁澤龍彦であったが、これは陶芸家を目指すにあたり、好きなことばかりに熱中する性格をなんとかしようと、まずはロクロもない岐阜の製陶工場に勤めていた時に、女の子から万引きしたという澁澤龍彦集成の1冊『エロテイシズム』を読めと渡された。ところが目から鱗で、せっかくの殊勝な志も元の木阿弥。陶芸も流れでその気になっていただけだと気がついてしまった。そんないきさつから第一作の作家に選んだ。その次に作ったのが谷崎と乱歩である。谷崎は特定の作品について制作したことがない。谷崎の頭部に、色んな角度の光を当てて表情の変化を見ていると、この文豪然とした表情のまま、あんなことさせたりこんなことさせたり、と浮かんで来る。何しろ本人がそう書いているのであるからしかたがない。そんなことを考えていると、作りたい作家もそろそろ少なくなって来たな、と改めて思うのであった。

オイルプリント制作法

インキング映像

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




千葉県某所に撮影に向かう。刺青師、彫◯◯さんの仕事場にて撮影である。私の被写体はほとんどが知人友人なので撮影時に初顔合わせ、ということがないが、今回は始めて会う人である。呉服関係の仕事をしているとしか聞いていない。挨拶もそこそこにまずは施術台の上で、外光を入れて。刺青師の仕事場という雰囲気があればそれはそれだな、と思っていたが、以前お邪魔した時と部屋のレイアウトが変わっていたので、光の加減だけを考えて始める。いつもと違うのは“絵柄”が生きるようにしないとならない。 次に居間で。光の調子が変わり刺青の色彩も変わる。 元々彫◯◯さんを撮るはずだったが、自分に入っている墨が未完成で、プロとして、この状態で残したくない。という。よって今回は断念することになった。その時は飼っている蛇といっしょに撮りたい。休憩中、二匹居るうちの1匹を見せてもらう。ボールパイソンというらしいが、被写体の彼女も何匹も飼っているらしく、二人して「可愛い」を連発。盛り上がっていた。相変わらず女性の「可愛い」は「美味しそう」に似ている。今回始めて蛇を人差し指の先で触ったが、イメージと違って妙に柔らかい感触。 さらに撮影。10年以上かかっている、という彼女の刺青も完成しているわけでなく、まだまだ続くようである。

オイルプリント制作法

インキング映像

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




4月4日~5月24日。神奈川近代文学館の『没後50年 谷崎潤一郎展』に急遽谷崎像を出品することになった。2体あるうちの初代は、当時合成などしておらず、女体に直接配置することしか考えていなかったので小さい。その後、表紙を担当したフリーペーパーで谷崎を特集することになり、改めて大きめに作り治した。実際の人物の横に並べて共演させようと考えたので、それには初代はデイテール不足であった。眼鏡や羽織の紐など実物を合成した。よって羽織の紐を作らなければならないので、久しぶりに引っぱりだした。 私にとって谷崎の1作といえば『春琴抄』であるが、若い時代の谷崎ならともかく、私が制作した年格好では佐助役をさせる訳にもいかない。となると作って面白いのは『瘋癲老人日記』あたりだろうか。晩年は両手にケーキだったかを持ち、高価な着物で手を拭きながら家の中を歩き回っていたそうである。嵐山光三郎さんの『文人悪食』には病的な潔癖症でばい菌恐怖症の泉鏡花と食いしん坊の谷崎が鳥鍋をつつくシーンが書かれているが、さっさと食べてしまう谷崎に対し、何でも煮立たせないと食べられない鏡花がたまりかね、鍋の真ん中に葱で柵を作る話しが可笑しい。

イルプリント制作法

インキング映像

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




若い女性のブロムオイリストから「順調ですか?」とメールが着た。私は正直に「絶不調!」と答えた。 90年代始め、オイルプリントを大正時代のテキスト通りやっても上手く行かない日々が続いた。しかしそれも昔の話である。昨年、グループ展にオイルプリントの新作を10年振りに出品した。今年は4月の下旬からの個展も決まっている。ところがである。 私はブログに都合の悪いことは書かない。度々登場した可愛がっていた熱帯魚が死んだことは書かないし、養生していた糠床を駄目にしたことも書かない。スランプに落ち入っていることも当然書かない。ブロムオイリストに“大丈夫、石塚さんなら”と励まされる始末である。 今までどのくらいプリントしたか判らないが、慣れ親しんだ行程を踏んでいるつもりである。ところがプリントしてみるとまったく上手くいかない。オイルプリントは手技の占める割合が多いため、歯車が狂い出すとこういうことになるのか。絵に描いたようなスランプである。本日、思いあまってネガの見直しなど田村写真に相談にいった。テスト用に重クロム酸アンモニウムが塗布されたゼラチン紙を見ると重クロム酸の色が薄いではないか。前回受け取った重クロム酸溶液は、アルコールで薄められていなかった。つまり私は数日の間、原液を塗布していたのだった。そういえば重クロム酸アンモニウムが用紙の裏にまで黄色く染み出していた。自分のHP見たってあんなに濃くないではないか。 一人前にスランプとは笑止千万である。例によって都合の悪いことは書かないはずであったが。昨日のブログで『上手く行く気がしないと、まず上手く行かない。ここに面白さと難しさがある』などとスカしたことを書いてしまった罰を自らに、という訳である。

オイルプリント制作法

インキング映像

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




携帯で写真を撮って上手く撮れたためしがない。知人でもブログの写真など上手に撮る人がいるが、私はああはいかない。これは頭とモニターの距離に問題があるのだろう。デジカメでもファインダーを覗かず、モニター頼りでは上手く撮れない。 私の場合、頭に融通が利かない部分があり、人物像の制作なら、左右逆の画像を頭の中で反転することが可能なのに、特に地図は頭の中で微動だにしない。紙やノートPCのモニターなら、そちらを動かせば良いが、街角に設置された地図は私の方が“方向転換”するしかない。少々の角度違いなら首が凝ったフリでもして対処するが、それ以上であれば、ほぼ役に立たない。そう考えると、やはり目とモニターの距離が私には埋められないということなのであろう。 頭と手の距離というものもある。これを近づける方法は経験を重ねる以外なさそうだが、オイルプリントという技法も、露光を終え水洗し、用紙に塗布されたゼラチンが水を含み、レリーフが立ち、あとは油性インクを着けたブラシで叩くだけであるが、データを取ろうと最終的には手技となるオイルプリントは、上手く行く気がしないと、まず上手く行かない。ここに面白さと難しさがある。

オイルプリント制作法

インキング映像

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




フェイスブックの『Alternative photographic processes』というグループに、昨日の房総の海女のオイルプリントを投稿した。ブログではそのまま載せたが、規約にヌードはいけない、とあるので一部ボカシを入れた。日本人ならともかく、海外の方々には半裸や全裸の女性が何をしているか判らないだろうと思ったが、「its japanese divers ?と書き込みがあった。ご明察。と返事をしておいたが。実際は、背景こそ房総の海辺だが、海女達はマンションの屋上で彼女等にヒシャクで水をかけながら撮影したカット集めたものである。日本では未だに娘達があんな格好で漁をしているのか?と思われてしまうかもしれないが、画題について訊かれたと思えば嘘をついた気にはならない。そもそも説明する英語力が私にはないのである。 嘘といえば、一度書いたような気がするが、私が陶芸家を志していた頃、学校の連中と飲んでいた時に、ロックンロールという言葉は、アラン・フリードという進駐軍の兵士が、焼き物の産地で、ロクロがロールしているのを見て思いついたのである。と駄ボラを吹いた。ところが卒業して数年後、某焼き物の産地で陶芸家の卵と飲んでいたら、その話しをする奴がいた。どうやら私のホラを信じた人物から伝わったようである。私は勿論。初耳だ、という風に感心してあげたのはいうまでもない。

オイルプリント制作法

インキング映像

ボブ・マーリーの評伝と未発表写真を多数収録した『ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド』の発売記念展。 

ビリケンギャラリー

終了致しました。御来場有難う御座いました。

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




ピクトリアリズム華やかなりし大正時代。真夏の千葉県、房総地方では、このような風景が見られたことであろう。海女の娘達がタライの獲物をチェックしながら賑やかに。このカットは最初からセピアにすることを決めていた。 大正の房総といえば、早世の天才画家で詩人の村山槐多を思い出す。房総は昔から肺病の療養地として知られるが、肺を病んだ槐多は晩年、健康を取り戻そうと胸に太陽光を一杯に受けながら、一人房総の海岸を旅する。しかし調子が良いと思ったのもつかの間。喀血し、自棄になって酒を飲み、友人に見守られながら亡くなる。没後に出版された『槐多の歌へる』(アルス)が有名だが、出版社のアルスは北原白秋の弟北原鐵雄が作った出版社で、大正時代のカメラ雑誌『月刊CAMERA』『芸術写真研究』その他、様々な写真の技法書を出している。アルスから独立した従兄弟が玄光社を興す。90年代の始め、神田の古書街に通ってはこのあたりの文献を買い集め、オイルプリント習得のため参考にしたものである。昔の人間にできて私に出来ない訳がない。今でこそ古典技法も賑わいを見せているが、当時話し相手は皆無であった。『待てば海路の日和あり』by広沢虎造。ということであろうか。

オイルプリント制作法

インキング映像

ボブ・マーリーの評伝と未発表写真を多数収録した『ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド』の発売記念展。 

3体出品中

最終日 215日() 

ビリケンギャラリー

107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101

TEL.03-3400-2214  FAX.03-3400-2478

http://www.billiken-shokai.co.jp

OPEN  1219時 月曜休

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




オイルプリントに使っていた40×30センチ程度の、折りたたみの脚が付いた、コタツ板のようなデコラ材のテーブルを出してきた。これに向かって正座でプリントする。 幼稚園の頃に託児所がわりだったろう。習字塾に通わされた。最初に書いた、いろはのいの字はほとんど数字の11だったことを覚えている。塾の玄関前に花壇があり、いつも蜂が飛び回っているのが嫌であった。オイルプリントが柄の付いた筆状のブラシを使うからというわけではないが、筆先に集中する習字に感覚が似ていて、背筋を伸ばし、自然とあの形になる。そしてあとは祈るだけである。 先日、オイルプリントは水と油の反発を利用した技法だと書いたが、この水と油の関係は実に微妙である。未だに把握したとは言い難い。 私が大正や戦前のテキストを参考にしながら制作していた頃、書いてある通りにやっているのに上手くいかない。ページが欠けているのではないか、と本気で疑ったのも、この当りに原因がある。日本のピクトリアリズム全盛時代、材料道具、情報、現在より入手は容易であったし、その環境下で当たり前のように書かれていることも、今となっては不明な点もある。HPの制作ページでは、当時の常識を知らない、一から始めた者として補足して書いたつもりであるが、それでも同じく参考にやってみたが上手くいかない、という声を聞く。当時もテキストでは表現しきれなかった水と油の関係を、なんとか説明できるところまで持って行きたいものである。

オイルプリント制作法

インキング映像

ボブ・マーリーの評伝と未発表写真を多数収録した『ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド』の発売記念展。 

3体出品中

20151月31日()215日() 月曜休み

ビリケンギャラリー

107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101

TEL.03-3400-2214  FAX.03-3400-2478

http://www.billiken-shokai.co.jp

OPEN  1219時 月曜休



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




朝から知人と待ち合わせをしていたのだが、忘れ物があってはいけない、という気分が見せた夢であろう。“「石塚さん錦糸卵を忘れないようにね」。危ない、うっかり忘れる所だった。卵はあるから、あれでいいな。だけど作ったことないぞ?売ってる物じゃだめなのかな?自分で作った物じゃないと相手に対して失礼でしょう。といわれたような気がする。いやいわれてないかな?しだいに重く胸にのしかかる錦糸卵の重要性。” 夢というのは実際は感じるより短時間の間に見るものらしいが、30分は葛藤した気がする。 帰宅後オイルプリント制作。ピクトリアリズム、絵画主義写真といえばオイルプリントのように顔料を使うプリントの他に、多用されたのがソフトフォーカスレンズであろう。ソフトといってもレンズによってボケ方は様々であるが、柔らかい光の中によけいな物は省略され、まさに絵画的に変貌する。私もピクトリアリズム参入にそなえ、古いソフトフォーカスレンズを幾つか入手していた。しかしここぞ、という時にまったく出番はなかった。私は肝心なことに気付いていなかった。被写体はほとんど私の作品である。せっかく作ったのに、ボカしたくもなければ省略などまっぴらなのであった。

オイルプリント制作法

インキング映像↓

http://youtu.be/kZozcEqgKsE 

 

ボブ・マーリーの評伝と未発表写真を多数収録した『ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド』の発売記念展。 

3体出品中

20151月31日()215日() 月曜休み

ビリケンギャラリー

107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101

TEL.03-3400-2214  FAX.03-3400-2478

http://www.billiken-shokai.co.jp

OPEN  1219時 月曜休

 参加作家

安齋肇 飯野和好 石塚公昭 イマイアキノブ オブチジン 東海林巨樹 菅原光博 

高橋キンタロー 高橋宏幸 根本敬 早川モトヒロ みなみりょうへい ヤギヤスオ 山福朱実

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




オイルプリントという技法は、用紙のゼラチンが露光後水に漬けけることにより、塗布された薬品の作用でネガの明暗により含水量の差が現れ、そこに油性顔料をブラシで着けていくと、水分の多い明部は油性顔料をはじき、暗部は顔料が付着しやすいことにより明暗が描かれる。つまり水と油の反発作用を利用しているわけで、ブラシで絵の具を付着させるというより、反発作用を制する。といったニュアンスに近い。 昨年10年振りに手掛けたエドガー・アラン・ポーは、おおよそ黒インクを使用した。ポーといえば黒以外の色彩が浮かばないせいもあったが、諧調をより多く出そうという意図もあったろう。しかし“石塚式オイルプリント”はゼラチン層を厚くし、初心者でも最初から画が出せる利点があるが、同時に厚いゼラチン層が水分を含んでよりレリーフが立ち、用紙は生皮のごとくの厚みとなり、より諧調が表現できることが大きい。よって次回の個展では余程黒が良い、というカット以外は混色した絵の具を使うつもりである。

オイルプリント制作法

インキング映像↓

http://youtu.be/kZozcEqgKsE 

 

ボブ・マーリーの評伝と未発表写真を多数収録した『ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド』の発売記念展。 

3体出品中

20151月31日()215日() 月曜休み

ビリケンギャラリー

107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101

TEL.03-3400-2214  FAX.03-3400-2478

http://www.billiken-shokai.co.jp

OPEN  1219時 月曜休

 参加作家

安齋肇 飯野和好 石塚公昭 イマイアキノブ オブチジン 東海林巨樹 菅原光博 

高橋キンタロー 高橋宏幸 根本敬 早川モトヒロ みなみりょうへい ヤギヤスオ 山福朱実

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




オイルプリント用のデータ。とりあえず8カット選ぶ。長辺を10インチに統一し、昨年のグループ展に出品した作品より大きくした。 写真という物は絵画とちがって無い物は撮れない。そんな所と機械音痴が重なり、写真を手掛けるのが遅れた私であるが、外側にレンズを向けず、額にレンズを当てる念写が理想といいながら、自分で被写体を作り、念写しているつもりになっているわけである。 人間も樹木と同様の自然物。答えは始めから自身に備わっているだろうから外側に目を向ける必用はなく、ただ頭に描いたイメージを捕まえていれば良い。あらゆることを見聞き体験するには人生は短過ぎるであろう。出不精にも拍車がかかって行く。ごく近所の酒場にいけば、多少デフォルメされる傾向があるにせよ、人生上の様々を生々しく見聞きすることができるし、それに読書が加われば充分に思われる。 そうはいっても昔は情報誌を手にギャラリー巡りしたものである。しかし素晴らしい作品に出会った所で、素晴らしいのはその作品や作者であって、どう手を胸に当てても、制作者としての自分に反映されている気がしなかった。たとえばスポーツなどで感動し励まされたという話しを聞くが、私にはまったく理解できない。頑張ったのはその人であって、私とはまったく関係がない。「感動をたかってどうする」といったのはビートたけしだったろうか。 例によって書いているうち風に流され、着地点がずれ始めたようだが、次回は始めて他人にレンズを向けた個展になるが、結局8カットのうち2カットは念写がかった作品を選んだのであった。

 

ボブ・マーリーの評伝と未発表写真を多数収録した『ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド』の発売記念展。 

20151月31日()215日() 月曜休み

ビリケンギャラリー

107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101

TEL.03-3400-2214  FAX.03-3400-2478

http://www.billiken-shokai.co.jp

OPEN  1219時 月曜休

 参加作家

安齋肇 飯野和好 石塚公昭 イマイアキノブ オブチジン 東海林巨樹 菅原光博 

高橋キンタロー 高橋宏幸 根本敬 早川モトヒロ みなみりょうへい ヤギヤスオ 山福朱実

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


一日  


刺青師と彼女の墨が入った女性を撮影することになっている。刺青師は蛇を二匹飼っている。飼い主の“絵柄”からすると随分洋風な蛇であるが、二匹を撮影に使えないか聞いてみると、今の季節はあまり触ることが出来ず、デリケートな状態ということで今回は断念することに。 午後麻布十番の田村写真に行き打ち合わせ。金曜日からオイルプリントの制作に入る。昨年のグループ展で江戸川乱歩の『盲獣』を手掛けたが、絵の具が乾いておらず、額装時に傷付け台無しにしてしまった。あれもヌード作品といえなくもない。リベンジを果たすべく再挑戦を決めた。南青山のビリケン商会へ。ここにいると懐かしい名前を聞くし、80年代の人形を発表し始めた頃が思い出される。ビリケン商会に最初万引きに来た連中が、今では会社の役員になっているそうで、街がすっかり変わったのも当然であろう。 そういえばすっかり忘れていたが、2月6日。ボブ・マーリーと私は誕生日が一緒である。トリュフォーもそうだが、どちらかというとホンジャマカの石塚の方が印象深い。

ボブ・マーリーの評伝と未発表写真を多数収録した『ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド』の発売記念展。 

20151月31日()215日() 月曜休み

ビリケンギャラリー

107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101

TEL.03-3400-2214  FAX.03-3400-2478

http://www.billiken-shokai.co.jp

OPEN  1219時 月曜休

 参加作家

安齋肇 飯野和好 石塚公昭 イマイアキノブ オブチジン 東海林巨樹 菅原光博 

高橋キンタロー 高橋宏幸 根本敬 早川モトヒロ みなみりょうへい ヤギヤスオ 山福朱実

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




約30年振りに復刻した子供と最新作が同じ台に並んでいる。親子というより、この子の30年後という感じだろうか。ビリケン商会のはす向かいにあった画廊でおこなった2回目の個展までは、雑多に作っていたような気がする。当時作品を写真に撮って残しておこう、という発想がなく、誰かに撮ってもらった会場写真にわずかに残っていたり、地方の広告に使われたポスターなどは探せば出て来るだろう。おそらく3回目の個展あたりから無表情な男達限定になっていったような気がする。動きもほとんどなくなっていった。あまり言い過ぎるより、その方が訴えるものが大きいと感じたからだが、そう思うとこの子供も、男の陰に隠れて恥ずかしそうである。

ボブ・マーリーの評伝と未発表写真を多数収録した『ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド』の発売記念展。 

20151月31日()215日() 月曜休み

ビリケンギャラリー

107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101

TEL.03-3400-2214  FAX.03-3400-2478

http://www.billiken-shokai.co.jp

OPEN  1219時 月曜休

 参加作家

安齋肇 飯野和好 石塚公昭 イマイアキノブ オブチジン 東海林巨樹 菅原光博 

高橋キンタロー 高橋宏幸 根本敬 早川モトヒロ みなみりょうへい ヤギヤスオ 山福朱実

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )