出版の延期は、スケジュールを空けておけという、伯母の仕業ではないかと言うと、母も、あの我ままな姉さんならやりかねない。そのくらいの力はあるという。「だろーっ」と私。伯父から何度も聞かされていたが、納棺のとき、女学校時代の伯母はたいそうモテたそうで、伯父もそのおかげで、上級生に大事されたと、しみじみと話していた。たしかに、そんな面影はあったが、あのような力の持ち主では、いかがなものであろう。いちおう骨になり、骨壷の蓋が閉じられたのを、この眼で確認しておいた。 孫の二人は、以前、江戸川乱歩で、小林少年とポケット小僧に使おうと思っていたら、竹の子のように背が伸び、小さいほうのポケット小僧ですら180センチを越えてしまった。しかも、あれほど煙草を嫌がっていた連中が、失礼してなどと言いながら、外で煙草を吸っていやがる。もっとも、私の彼等頃と比べれば、いずれも素直な好青年に見えてしまうのはしかたがない。帰宅後、煮込み屋K本へ。今日は躾のなってない中年女性客のせいで女将さん激怒。気に入らない客にはそっぽを向いてるので判りやすいが、そういう連中に限って、嫌われていることに気が付かないことになっている。
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