編集者からはその作品で行きたい、とメールは貰っているが、直接会って話していないので、出版が決まったとはまだいえない。すでに在る作品を本にするわけではなく、新たに作ることになるので、慎重になるのは当然である。 今の段階で想定している小説作品は、著作権が切れているので、それなりに古い作品である。そしてこれが偶然といっていいものかどうか、内心数パーセントぐらいは私の頭の中にあったのではないか、と考えているのだが、主人公の行動パターンや性根が、Kさんそっくりなのである。そのものといってもよい。ひょっとしてKさんは、創作の神が私に遣わした妖精なのではないか?と疑いたくなるが、だとしたら神様には余計なお世話だ、といいたい。もしくは取材はもう十分に済みましたので、どうぞお持ち帰り下さい、といいたい。 あんな感じの人が主役の作品だ、などといってしまうと、マイナスにこそなれプラスにはならないのでこの辺にしておく。
以前何度か書いたことだが、制作に集中してくると、私の周囲に、制作中の人物の“パーツ”を持った人物がウロチョロすることがある。たとえば信号待ちの車の、半開きのウィンドウの上に突き出たハゲ頭は、古今亭志ん生そのものだったり、ディアギレフを作っている時は、おそらく中東あたりの人だと思うが、こんな垂れ目で突き出た額は見たことない、という人が前から歩いてきたりする。単にそのことに集中しているので目に付く、というのが本当のところだろうが、そんな時は、私のために参考になる人物を集めて、周りをうろつかせてくれている、と思うくらいである。人が聞けばノイローゼにしか聞こえないであろう。
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