制作中の変身ヒーローは、変身時に体格が一変するが、格好がヒーローの割に垢抜けないところが特徴である。マントを着けているが、これがないとヒーローらしいところはない。マントは怪人二十面相を作った時のように、粘土で作るつもりでいたが、けっきょく布を使うことにした。背景が決まらないうちにマントをある方向になびかせてしまうと、厄介なことになりそうだからである。 案山子から剥いだという河童の着衣も、どうするか考えたが、登場場面が多くて、その度作っていては大変だ、ということもあるが、むしろ乾いた状態の生地ならともかく、濡れて水を含んだ表現が難しいので布を使った。
こうして制作に関することばかり書いていると、面白くない、という人が周囲にいるが、近所の人向けに書いているわけではないので、本来こうしたものである。もっとも出版にそなえ、近所の怪しい人物との交際は控え、身辺を奇麗にしておこうという思惑がないとはいえない。 その近所の方々に出演願った縁で、地元で祝っていただけることになっているが、ただ飲んで本を配るだけでは、とK本の常連である舞台俳優、今拓哉さんに『貝の穴に河童の居る事』の朗読の録音をお願いしている。今さんが常連席に挟まっている状態を、“蛾の中に蝶が一匹”と評した人がいるがまさに。舞台稽古の忙しい中であるが、駄目元でお願いしたら引き受けていただいた。その朗読に合わせてスライドを上映しようという試みである。そんな誘蛾灯の集い、みたいな集まりで、と考えるとあまりにもったいないので、どこかで改めてやれる機会があれば、とも思っている。 出演者の素人役者の皆さんはおそらくそこまで考えが至っていないだろうが、スライド上映とはいえ、レミゼ俳優が自分たちの吹き替えをすることになってしまうわけである。素面で直視は無理であろう。
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