『半憎坊荒海祈祷図』の半憎坊が雷鳴轟くシナ海において、刀印を結び呪文を唱え、すっくと立つ帆柱を作る。嵐の中、帆は下ろしているだろうから、滑車の付いたただの円柱だが。荒天の背景はこう作ろう、と構想だけは頭にあるが、果たして上手く行くかどうか。いずれにしても昭和30年代東映痛快時代劇調で行きたい。白馬童子は鉄砲の弾を刀で避けていた。大川橋蔵だとばかり思っていたのだが。 続いて蘭渓道隆の合掌する腕の仕上げ。人間大あるいはそれ以上になるので、初めて指の関節部分の皺を作る。次からはそう作ることになるか。40数年、こうして、ほんの少しづつ変化して来た。蘭渓道隆は中国から持ち込み、自ら植えたビャクシンの樹が、建長寺で今や大樹となった。その七百数十年を想い合掌している。歴史の再現ではなく、今だからこそ可能なイメージ作品となる予定。
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