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明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



このままだと、小学生の夏休みのウサギの観察日記みたいなので、制作について少々。今回は『潮騒』の背景を撮影するのが目的である。廃墟化した監的哨は撮影用模型を作る予定なので、南房総なら三重県までいかずとも雰囲気は充分であろう。あともう一回出かけ、今回の補足と戯曲作品一点の背景を撮影の予定である。三島作品には海は欠かすことができないが、三島は田舎のことを判っていない、という向きもあるようだが、判っていれば良いというものではない。それがどうした。である。人物制作も長期化してくると、好きが高じて何もかもが良くなってくる。一点ならともかく、そのぐらい好きにならないと、やってはいられないものである。今回Kさんに来てもらったのは、たった1カットで重要な役割をになってもらう為で、まさにドンピシャであった。細かな制作については後日として、“観察日記”に戻る。
昨晩、例によってロレツの回らないKさんより、T屋のマドンナの話を聞かされ続けたわけだが、酔っ払って房総にいるのに朝食食べに行きます、とメールしたら単に話を合わせて、待ってますと返事が着た。自分が送ったメールは忘れているから、すっかり帰りたくなってしまい、もう一泊のはずが明日帰るといいだした。しかし朝になったら死にそうな顔をしている。酒ばかり飲んで、食事は雀がついばむ程度しか食べないせいだろう。今回もKさんの少食には驚かされたが、あそこまで日光浴にこだわるのは光合成でもしているのではないか?というくらいである。結局もう一泊することにし、回復を待って再び海岸へ。 Kさんが誰もいない海に入っていく姿を見て思い出すのは、たこ八郎が溺死した時の、最後に海に入っていくショットである。やはり酔っ払って機関車に轢かれて死んだ“拳聖”ことピストン堀口なども思い浮かぶ。たこも堀口も防御はあまり頓着せず、時にノーガード戦法で、相手が根負けして倒されるところなど共通である。Kさんのノーガードな生き方が連想させてしまうのであろう。転ぶときも手など使わず頭で行く。後ろを振り向いて姿が見えないとドキッとする。

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昼食に漁港にある手打ち蕎麦屋に行く予定だが時間もあるし、黒滝を観にいくことにする。レンタサイクルのママチャリ内装三段ではキツイ。Sが先頭を行き、私、Kさんと続く。私が黒滝の入り口に到着すると先行していたはずのSの姿が見えない。携帯で二人に連絡とろうとしても電波状態が悪い。いくら待っても来ないので、一人で黒滝を撮影。昨日からひゃっくりが止まらないKさんがまたどこかに落ちたに違いない。携帯の充電も不足がちなので、駅まで向かおうとすると、ようやくつながる。二人は道を間違え、入れ違いに黒滝も見てきたという。Kさんは軽トラと正面衝突しそうになり草むらに突っ込んでコケたそうである。このあとコケまくる。 蕎麦屋でイカ焼きでビール、日本酒、焼酎のロック。自魚の天麩羅と蕎麦が美味い。そのあと、Kさんが見たという骨を見に行こうという話も出たが、炎天の中、中年のスタンド・バイ・ミーでもなかろう。流木に決まっている。ということで、先に帰るSを駅に送る。Kさんすでにベロベロ。私のブログでのKさんがノンフィクションであったことを知ったSは、始めこそ面白がっていたが、一晩でギブ・アップ。電車が来るまで待つというKさんの横で、私にもういいから連れて行ってくれ、という顔をしていた。 海に入りたいというKさんと自転車で海岸に向かおうと出発するが、Kさんまず駅の段差でコケ、道路でコケ、海岸に着いてコケ、砂浜に飛び降りようと堤防に立ったら、よろけて後ろにコケる。もうちょっとで縁石に後頭部直撃であった。それにしても見事にペタンポタンと良くコケる。Kさん酔って身体に力が入らないぶん、あの程度の怪我で済んでいることが今回良く判った。 海パンを忘れ、水色の下着だから大丈夫と、撮影が目的の私と海岸に下りる。地元の人が大きなムク犬を連れて水際を散歩している。犬が大きいのでKさんが「怖いな」とつぶやくと、下着姿でヨロヨロのKさん。「オジサンが恐いよ」。と返され大いに笑う。酔っているし、外房の波は荒い。早々に帰ることに。 しばらく休憩しているとKさん、あれだけ焼けすぎで懲りたかと思ったら、一皮むけたら、あとは絶対むけないのだ、と例によって日焼け止めを拒否し、なんと日光浴をしている。背中はすでにシミだらけなのだが私がいくらいっても駄目なので、それならできるだけヒドイことになり、せめて笑わせてもらうことにする。 夜飲んでいると、空の星を見て、こんな星を見たのは子供の頃、故郷の鹿児島で見て以来だ、とKさんしきりと感激している。昨日そういっていたのを忘れている。

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Kさん石垣島と同じ格好で現れる。頭にはやはり浜松で買った自衛隊公式パイロットキャップ。これがひさしにフエルトで、今の季節にかぶるようなものではないのだが。Sの到着まで一時間あるので、駅でレンタサイクルを借り漁港で時間をつぶすことにする。和田漁港は日本に4ヵ所しかない鯨のがあるところで捕鯨船が停泊していた。見ると和歌山は太地の船。港に外人の撮影クルーがいる。どう見ても捕鯨の取材である。かつて船端に捕まえた鯨をぶら下げ、頭かち割って灯火用の油を採って、ズルズルと海に捨てていた野蛮人に余計なことをいわれる筋合いはない。子供の頃『白鯨』を読んだ私は、給食の鯨が不味いのは、ズルズル捨てるような物だからだと思い込んでいた。 テトラポッドに上がったKさん、おとなしくしているな、と思ったら、テトラポッドの間に人間の骨があるという。変なもの見ちゃったから今夜は眠れないなどといっている。携帯で撮ったのを見ると私には流木にしか見えず。そうこうしてレンタサイクルに乗ったSと合流。後で聞いたが、Kさんは実在せず、私一人が待っているのではないかと思っていたそうである。 今日はバーベキューの予定なので『魚惣』に鯨肉を買いに行く。前日2頭の解体があったので、なんと冷凍していない生肉を売っていた。一番大きなブロックを買う。あとは房総といえば青魚。鯵、その他イナダ。スーパーで、これも欠かせない房総の酒『寿満亀』。野菜などを買い親戚の別荘へ。シャワーを浴びビールで乾杯。まず鯨、鰯などの刺身で一杯やろうなどといっているうち、面倒になり、バーベキューは中止。よくあるパターンである。冷凍していない生の鯨は特に刺身が違う。Kさん酒がまわりロレツが回らなくなると、私が毎日のように聞かされている、Kさんのマドンナの話を初対面のSも聞くハメになった。 そろそろ寝ようと思ったら、Kさんトイレに尻をだして腰掛けたまま眠っている。このままでいいのか?とS。知ったことかよと私。 先に寝入ったS、息をしてない。数えると、ほぼ一分止まる。そして潜水記録に挑戦したようにガバと空気を吸い込む。これの繰り返し。これでは寝ないほうがマシである。そうこしたらKさんが、ノンストップで延々と寝言をしゃべり続けるので4時前に目が覚めてしまった。

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一日  


昨日松戸まで出かけ、岩崎宏美さんのコンサートを一人で観て来た母と電話で話していると、せっかく楽屋にお邪魔して写真を撮ってきたのに何も写ってなかったという。デジカメが心もとなくフィルムカメラを持っていったのが良くなかった。何をやってるんだ、といっていたらご当人の宏美さんからメールを頂いてしまい、マネージャーだかに撮ってもらった画像まで送っていただいた。気さくな方なのはK本でお会いし、お互い武道館にジャクソン5を観に行った話をしているので知っていたが、たまたま舞台の稽古がお休みだった御主人の今拓哉さんと二人で、婆さんの相手をしていただいてしまい有り難いことである。母にはくれぐれも余計な話をせず、とっととお暇するようにいっておいたが、そうならないことが目に見えていたので恐縮してしまう。 明日から数日、房総に撮影に行くため準備する。同行するのは、電話で奥さんと話しているのを聞いていると、電話の向うにいるのはパットン将軍か?と思うSと、そのSが実在したのか、という最近ブログに最多出場のKさんである。三島と身長が近いこともあり、今回も少々活躍してもらう予定である。 夕方、K本の常連7人と、北千住に集合し飲み会。昨日母がお世話になった今拓哉さんも。いつも楽しいメンバーだが、中に定年を迎えた人が二人、すでにご隠居が一人というメンバーなのにかかわらず、ためになる話がほとんど出ないところが実に頼もしい。焼酎を色の付いた液体で割ったホイスは知っていたがバイスというのを初めて飲む。工具のような名前だが、おそらく梅酢であろう。となるとホイスとはなんだ?。

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2・26事件の決起将校の中心人物に磯部浅一一等主計がいる。(事件当時は免官され立場は民間人であったが)三島の『英霊の声』は2・26事件の決起将校たちの魂が、天皇への純粋な心から決起したのにもかかわらず、陛下に叛徒といわれたと嘆き、特攻隊の英霊がすめろぎ(天皇)が人間となったことに憤るというものだが、執筆中は何かが乗り移ったように筆が走ったそうで、当時の丸山明宏に誰かがついているといわれ、三島は「磯部か!」といって顔色を変えたという。 2・26事件の背景には青森などの農民の窮状があったが、天皇は「農民は苦しいとはいえ、自ずから彼らにも楽天地がある。自分もヨーロッパに旅行した時、自由な空気を吸ったときは、なんとも楽しかった。だから、農村には農村なりの楽しい愉快なものがあるだろう」。といっていたというから、つまり娘を売りに出すような悲惨な実態を何も知らされていなかったわけで、これでは決起将校の気持ちが判るはずもない。よって将校は天皇の逆鱗に触れ、反乱軍とみなされ処刑されたわけだが、磯部は密かに獄中から持ち出された手記に「今の私は怒髪天をつくの怒りにもえています。私は今は、陛下をお叱り申し上げるところにまで、精神が高まりました。だから毎日朝から晩まで、陛下をお叱り申しております。天皇陛下、なんという御失政でありますか、なんというザマです。皇祖皇宗におやまりなされませ」とまで書いた。尊王討奸(天皇を尊び天皇の悪い取り巻きを討つ)と立ち上がったはずがなんともやりきれない結末である。

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一日  


この節電のおりだが、サッカーを観ていたわけでもなく、シーンとするのが駄目なだけでTVを点けていた。国際信号旗について調べていたら朝に。無性に寿司が食べたくなり10時から開いてるヨーカドー内の回転寿司へ。この暑さなのでこのまま寝ないで行ってしまえ、と東大島図書館へ。猛暑の中フワフワしながら歩く。またやってしまったTシャツを後ろ前に。 静かな図書館で三島の戯曲その他調べ事。三島の戯曲は実に面白い。中から目的にかなった作品2点を取り上げることに決めた。テーブルがお粗末でギシギシいうのが寝不足の癇に障る。 図書館のトイレでTシャツを着なおし、再びヨーカドーに戻って『スーパー8』を観る。どんな映画かほとんど知らずに観たのだが、根っからのスピルバーグ嫌いの私も面白く観られた。子供たちがゾンビ映画をスーパー8で撮っているのが可笑しいが、こんな子供たちがあちらには腐るほどいるのだろう。ヒロインの女の子は、こんな映画のお決まりのパターンではあったが、可愛く印象に残る。 小学校の学芸会で、改造人間を作るキ○ガイ博士の劇を、私の作・演出でやったのを思いだした。運動会だと張り切るクソ野郎が日ごろの行いのせいで、どこの班にも入れてもらえないのを入れてやったが、そのかわり最低の改造人間にしてやったのはいうまでもない。泣きそうな顔したって自業自得である。私の演出に従えないものは去れ。観にきた彼の母親には少々酷だったが、あんたの教育が悪いんだからしかたがない。 帰り際冷房などなく、ただ扇風機が空気をかき回しているK本に寄ってチューハイを2杯だけ飲んで寝る。2時間ほど寝て元気回復。T千穂へ。珍しくKさんがいないので呼び出す。未だ日焼けの皮をかきむしっており、人間鰹節の如し。もう一軒寄ってグッスリ。

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友人から、そっちへ行くから、ブログに登場する連中と飲ませろ、とメールがきた。南国鹿児島出身のくせして馬鹿みたいに日焼けして、痒くてかきむしってボロボロむけてる61のオジさんはまだしも、カッパだ大ウナギだ“俺には大ウナギを見たという責任がある”なんて夜中に大声でケンカしてる50過ぎた連中と飲んで何が面白い?ブログを読んでるのと違って、現場じゃ殺伐としたもんだぞ?テーマがテーマだけに。そりゃあいたたまれんぞ。 賢明にも呼ばれても合流せずに、離れたところで飲んでいた立ち飲み屋のYちゃんに、駄目男好きには堪らないんじゃないの?と訊いたら、あれは駄目男じゃなくて駄目人間なんでジャンルが違うそうだ。確かに。

三島は作品が古びないよう、時代が特定される事物を意識して遠ざけている。よって作品によっては、どういう年代設定にしてよいか迷う場合がある。

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T千穂にいるKさんからメールが着て行ってみると、日焼けの皮がむけてひどい状態である。しかも飲みながら痒いといって剥いては灰皿に捨てている。実に汚い。二軒目にT屋に行く。T屋は外から誰がいるか判るので、まずそれを確かめる。要注意の大手広告会社でコピーライターのKさんの姿がない。安心して私とKさんは入った。Kさんは単体ではまったく問題ないのだが、T屋の主人Hさんとは仲が良いといえばそうなのだが、明け方頃つかみ合い、怒鳴りあいの喧嘩がしょっちゅうなので要注意なのである。席についたとたん、このKさんがトイレから出てきた。これでいつかもいった、このあたりのゴジラとラドンとモスラが揃ってしまった。もしくはゲジゲジとナメクジとガマガエルでも良い。 コピーライターのKさんとHさんは近所の川で川鵜が巨大なウナギを丸飲みしたのを見たといっている。私はそんな物信じない。というのは定番のツマミ話で、さらにHさんの息子は大蛇を見てかみさんはカッパを見たという話で、いつもならそれでワイワイいって済むのである。Hさんは店閉めてもう一軒行こうという。今日は楽しく飲んでいるし、まあいいだろう。見るとKさんの坐った床には剥けた皮が散乱している。しゃがんで掃除するKさん。私は剥けた皮を始末している61歳の背中を見た時点で、今日が最低な夜になることを予見すべきであった。 次ぎの店でKさんはHさんに、俺等が見たウナギとお前のかみさんが見たカッパと一緒にされたくない、とからみだした。始めは笑っていたHさんも、次第に顔から笑いが消えていく。そんなことでからむKさんもKさんだが、それで笑顔が消えていくHさんがまたHさんである。まさか50過ぎた連中がカッパと大ウナギでケンカはないだろうな、といっていたら、そのまさかが始まった。夜中の3時に店内に響くカッパだ大ウナギだという怒声。「俺には大ウナギを見たという責任がある!」なんだそれは?相変わらず皮を剥き続けてるKさんはオロオロするばかり。私はというと、何度もこういう場面に遭遇し常に止め役なのだが、今日ばかりは同席していること自体が情けないので黙っていた。今日はかなり最低な夜だったと私は思う。

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一日  


木場のヨーカドーでようやく『ブラックスワン』を観る。客は数人。主役のナタリー・ポートマンは『レオン』からしたら、もう少し綺麗になっているかと思ったが、泣きっ顔の八の字眉は健在。常にあんな顔。肝心なバレエシーンはアップで逃げていたが、それはさすがにしかたがないが、たいした演技ではあった。映画館で観る価値は充分あったが、大騒ぎするほどとは思えず。ついでに『エックスメン』でも見ようと思ったが、時間が合わず帰宅。 三島の戯曲の中から画になりそうな作品を発見。三島は現地にでかけ取材をしたが、あの目玉がいまだに現地に浮かんだまま風景を眺めており、それを通じて見ているが如くに映像が浮かぶ。画が浮かぶといえば乱歩だが、あの感じとはまるで違う。

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数年ぶりにクロッキーブックを買う。私は制作の前にスケッチはしない。最初に何気なく描いた最初の一枚が決定版になってしまうことがしばしばあり、気楽に描けなくなり止めてしまった。 天才アルトサックス奏者チャーリー・パーカーは、スタジオに入って最初の演奏が良く、周りのミュージシャンの調子が上がってきた時には、逆に調子が落ちてしまうそうだが、一方私はというと、そんな天才とは違うので、おそらく最初に描いたものに縛られてしまい、そのためパーカーのバックミュージシャンのように、二枚目、三枚目に良い物がでてくるのを逃しているのではないか、と考えて描くことはなくなった。 そういえば、今気が付いたのだが、私は子供の頃から、ちょっと手が空いていると、常に悪戯描きをしてきた。江戸川乱歩の土蔵に入った頃、乱歩の蔵書すべてに私が子供の頃に描いた悪戯書きが描かれており、それが発覚して立教の教授に説教される夢を見たくらいである。おそらくこれは貧乏ゆすりに近いもので、楽しくてしょうがない時に描くことはない。よって治らない悪習と感じていたのだが、その癖はアイディアスケッチ止めたあたりから、いつの間にか収まっていたようだ。 今回久々にスケッチする気になったのは、『潮騒』の監的哨、焚き火のシーンをどう作り、どう撮るか考えるためである。

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朝起きてKさんのノーガード戦法で戦ったボクサーのような携帯の画像を眺め、ひとしきり笑って目を覚ました。 夜、帰ってきたというのでT千穂に行くと、黒コゲのKさんと、焼けてはいるがそれほどでもないSさんがいた。Kさんの顔の腫れはひいていたが、一時は目が塞がって見えなかったそうで、顔の皺だけが焼けずに白いのが可笑しい。 今の季節は暑過ぎるせいもあり、観光客はほとんどいなかったそうである。パラソルの下にいてもどんどん焼けるそうで、熱中症になったKさんは鳥肌を立て、ガタガタ震えていたそうである。水分といっても飲んでいたのは缶ビールで、それじゃ駄目だ、と常連の看護師さんにいわれていた。 結局“60過ぎの二人が満足するような”遊び場所も見つけられず、二人とも食べ物がまったく合わず、泡盛も駄目で、なんでも高いので食事はほとんどホテルでビールばかり飲んで過ごしていたらしい。どうだったの?と問いただしても、写真はたった5カットしか撮ってこないし、ただひたすら“殺人光線”がいかに凄かったかに終始した。つまり散々だったわけで、みんなにだから本島にすれば良かったんだよ、といわれていた。 Kさんは私には女性の話しかしないが、アンソニー・クインにちょっと似ている青森出身のSさんは、Kさんのそんな話はまったく相手にしないので、数日の間、会社での昔話ばかりだったそうである。閉店後次に二人でいった店で、数日会えなかったKさんいうところの、“ハイビスカスより綺麗な”人について、堰を切ったように話し続けるKさんであった。私は昨日、そのハイビスカスより綺麗な人にKさんの写真を送り、娘と二人で見て泪が出るほど大爆笑、と感謝されたことはいわないでおいた。

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旧作をチェックしていてある表現が、今とかなり違っていることに気付いた。それはある時、たまたま考えた方法だった。素材により、その素材ならではのやり方がある。私は以来、そうしているつもりであったが、知らないうちにニュアンスが違ってきている。場合によるだろうが、今後少々意識することにしよう。
Kさんは一晩経って大分回復したらしい。今日は船で釣りに行くはずが、熱中症と日焼けによる全身の火傷で中止し、島内観光している、とアロハ姿の画像を送ってきた。茹で上がったアホの坂田の如し。顔が試合後のボクサーのように腫れ上がっている。日焼け止めは女が使うもんだろ、なんていってるからバチが当たった。そういえば二十歳前、私もリンスは女の使うもんだろ?といって笑われたことがある。未だに使っていないが。 友人からKさんの写真を見せろ、というメールが着た。どんな顔をしているか見たいという。Kさんもメールで送られ、知らない所で面白がられては可哀そうだから、今度会った時、携帯に入っている写真を見せるから、それで面白がりたまえ。といっておいた。期待、いや誤解させては申し訳ない。今たまたま物凄く面白い顔をしているが、普段は特に顔が面白いわけではない。

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今後の展開とか何も考えず、ただ一人作るとしたら誰か?と聞かれたので、迷わず『北一輝』と答える。 『潮騒』の海女の使うタライは採った獲物を入れたり、浮き代わりになる。初江の持ち物であるタライに“初江”と墨書きをした。今まで映像化された初江は71年東宝映画の小野里みどりを別にすれば、常にアイドルやスターが演じてきたわけで、Aちゃん演ずる初江は素人という意味でリアル感は格別であろう。
連日Kさんより寂しいどうしてますか?と相変わらずのメールが来る。自分が行きたくて行ったんじゃないのか。遊ぶことを考え沖縄本島を主張したSさんを押さえ、マングローブやいつか指名手配犯がTVのインタビューを受けて捕まった牛車に乗りたいといって離島に出かけた。出かける前に特訓をして携帯で写真を送ってくれるようにいったが、肝心のマングローブも牛車も送られてこず、デカイラーメンを食べていたり、中途半端な建物だったりするので海を送ってよ、といったらようやく海を背景に缶ビールを持った写真が送られてきた。全身日焼けで火傷状態らしい。Kさんのことだから、と日焼け止めを使いなよ、といったら、あれは女が使う物だろう、といっていた。まったく予想通りのことをしてくれる。そうこうして夕方再びメール。具合が悪くホテルで寝込んでいるそうである。熱中症らしい。心配かけてゴメン、だそうだが、ここまでくるとほとんど芸である。放っとかれると何か起きる。これはもう61のオジサンというより、酒好きで頭の薄い老けた小学生と考えたほうが良い。一緒にいるSさんの呆れた顔が浮かぶ。この人Kさんのグダグダな話を聞いていられる人ではない。貴重な離島の夜である。よほど酷くなければとっとと飲みにでかけたであろう。

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一日  


Kさんから石垣島で大盛りラーメンを食べてる画像が届く。あれだけいっておいたのに。確かにドンブリはデカイが、これでは只今高円寺です。といったって判りゃしない。 Kさんが出かけている隙に作品制作について書く。現在制作中の三島由紀夫のシリーズは、以前個展の開催場所がほぼ決まっていたのだが、内容に問題があると断わられてしまっている。三島に縁のある場所であったが、それがかえっていけなかった。内容で断わられるなど、私もようやく一人前になったような気がしないでもない? 『中央公論アダージョ』を手がけている間は個展は開けず、06年の『夜の夢こそまこと』 (青木画廊)以来一度も開催していない。だから都営地下鉄に乗らず、インターネットもやらない人からすると、私は止めてしまったと同然かもしれない。そんなこともあり、アダージョ終刊が決まったときから、次ぎの個展は以前から構想だけはあった三島でやってみたかった。相変わらず作家の作品世界に本人に登場してもらうのだが、現段階でいえることといえば、『仮面の告白』『F-104』『潮騒』『金閣寺』。あとは凡そ7作品である。アダージョ制作の勢いのまま、今年の11月25日の三島の命日を目標に一気に作るつもりであったが、上記の理由でズッコケてしまった。しかしモチベーションが下がることはまったくない。制作したいと発表したいは又別な気持ちである。 母から度々聞かされたが、台風の日、幼稚園児の私はクレヨンで佃の渡し舟の絵を描いていた。煙突あたりに東京都のマークがあり、同じ物がマンホールの蓋にあったと、どしゃ降りの中、止めるのも聞かず確かめにいったという。せめて雨が止んでから見に行けば良いだろう、というのは作る、ということに関しては何も判っていない。少々いいにくくはあるけれど、あれから私はあまり変わっていないと思う。そして自分にいい聞かせるのである。こうなったのも生まれつきだから、私のせいじゃない。

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昨日はKさんにプランタンの搬出を手伝ってもらい、帰宅後すぐにT千穂へ。明日は沖縄なので今日は一杯だけで帰るというKさんだが、そんなはずがなく、次に立ち飲み屋で飲んで、結局店のYちゃんと3人で3時までやってるPへ。このメンバーは私がカラオケが平気になったきっかけであるが、当初友人には、私がカラオケなど行くはずがないから、この“S運輸を定年のKさんと立ち飲み屋のYちゃん”は、寺山修司の“寿司屋の政とトルコの桃ちゃん”のように、私が作った架空の人間だと思われていた。そして本日もお決まりの、YちゃんによるKさんに対するお説教である。「Kさん、もう一回やったらウチも出入り禁止だよ解かってんの?!」毎度なんの進展もない。Kさんは酔った時のクセで、右手の親指と人さし指で何かを丸めるような仕草をするのだが、それは乳首なの鼻クソなの?といってからかうのだが、叱られている時など緊張が高まるとそれが高速になる。私は酒の肴に横目でその動きを眺めていた。 3時の閉店で解散。前回は帰ったと思ったら「寂しいから帰りたくない」とUターンしてきたKさんだが、さすがに念のため電話で朝起こして、と私とYちゃんにいって帰っていった。Kさんは一番のファンはT屋のかみさんである。T屋は早朝6時から開いているので、ろくすっぽ寝ないで飲んでるだろうと思ったら案の定である。私と浜松に行った朝と同じパターンである。あの日は寝るまで同じ話しを聞かされ続けた。そこで一つ懲らしめてやろうと考えている。T屋のかみさんをどこかの風景に合成して、今どこそこに来ています、とメールで画像を送るのである。昔から馬鹿でも釣れるといわれるハゼのように、間違いなく簡単に引っかかってくる。「石垣島なんて来るんじゃなかったー」ホテルのベッドの上で暗い顔で後悔することは間違いがない。私は何も犠牲的精神や介護精神でKさんと付き合っているわけではない。面白いからである。

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