夜は電球1灯、電気毛布も着けっぱなしなのだが、通帳見ると昨年12月の電気代が5579円とある。これは褒賞ものだ、ということで、鎌倉の古美術店から河鍋暁斎が届く。新聞紙をクシャクシャにしたような衣の表現と、ガキどもの馬鹿ヅラが特徴的である。こういう戯画調作品を見ると北斎好きなのかもしれない。毎日上から見下ろしていてもらおうという趣向である。これにて準備万端。 ついでにハサミで散髪。高校に入学してすぐに、自分で切るようになった。半ズボンの頃から床屋が苦手。ありもしない髭を剃る時、薄い布ごしにオヤジの鼻息が顔に当たる、あの顔がすぐそこにあると思うと可笑しくて耐えられない。常に太ももをつねって耐えていた。髭はいいです。といえば済むことに気付いた時には高校生になろうとしていた。男子校では女子を気にする必要もない。以来自分でカットしている。 竹竿に骸骨の一休は見下ろしているし、髪はサッパリ。こうして深く静かに潜航するような日常がまた始まろうとしている。明日はどっちだ。