ジャズ、ブルースをテーマにした初個展から40年かけて、少しづつ魚のいないところを探しては釣り糸を垂れてる。と評される私だが、その挙句が寒山拾得ということになろう。中学生の時に、乱歩と共にはまって授業中にも読んでいた谷崎潤一郎をやり残した感があるものの、作家シリーズ最後となった。三島由紀夫が様々に死んでいる所ばかりを制作した『三島由紀夫へのオマージュ 椿説男の死』により、思い残す所はない。死の前年無理やり上演したかのような舞台『椿説弓張月』は、歌舞伎役者が思ったように動いてくれないと不満を漏らしているが、『黒蜥蜴』で剥製役をやった三島も、さすがに武藤太の切腹の場で翌年のリハーサル?を自分で演じる訳にいかず、その無念の想いを晴らしてみた。ここまでやってしまえば、もう寒山拾得という訳で、寒山拾得と一休宗純の首を持って『芭蕉記念館』へ。収蔵されている芭蕉像、芭蕉庵と共に、室生犀星、泉鏡花、永井荷風を展示中である。坂崎重盛さんと久しぶりにお会いする。雅号の一つも付けてもらえれば幸いである