四方源太郎日記(京都府議会議員・綾部市選挙区)

これからの綾部のために、さらなる「挑戦」を!

綾部市戦没者追悼式

2014年10月16日 | イベント参加

 午前中は、綾部市戦没者追悼式に出席。

 遺族代表塩見均さんが「働き手の父を失い、病気の母と高齢の祖母が農業で兄弟の多い家族を支えてくれた。『全日制高校に行かせてほしい』と母に頼んだが、泣きながら説得され、たまたまその時に遺族に支給されることになった弔慰金5万円の国債のおかげで定時制高校には行くことができた。詰襟を着て、全日制高校に通う同級生の姿がうらやましかった。近所の悪ガキからは『お前の父ちゃんが弱かったから戦争に負けたんだ』と言われて、本当に悔しい辛い思いをした」という話をされ、「今の政治家は二度と戦争を起こすことのないよう肝に銘じてほしい」と述べられた。

 綾部市内でご存命の戦争未亡人は今や20名をきる人数になり、来年には戦後70年を迎える。

 あの「戦争」はなぜ引き起こされて、なぜ泥沼に引き込まれていったのか?それをしっかりと研究しなければ「戦争は悪い」と抽象的に思っているだけでは、いずれまたその惨禍に巻き込まれてしまうのではないかと感じる。

 社会や政治に無関心な人が増えていくことは、戦争へ向かっているということではないだろうか。

 

 追悼式での皆さんの挨拶の中で、いくども「世界連邦」という言葉が出てきた。

 「世界連邦」も単純に「平和思想」だと考えるわけにはいかないと思っている。理念としてあるうちは「平和」であるが、これが実現に向けて、行動となるときには実は「争い」の火種になる可能性もある。

 今は国際連合(国連)という先の大戦の「戦勝連合国」の組合組織によって、世界の秩序維持が図られている。秩序が壊されようとするところには国連軍が派遣されるが、国連安保理で拒否権を持つロシアや中国に関わるウクライナやチベットには派遣されない。それが戦勝国の権利だ。日本のような敗戦国がそれを求めても絶対に認められることはない。

 世界連邦(世連)が実現すると、国連は消滅し、「戦勝連合国」の既得権も消滅する。

 戦勝国の国民がそれを理解して、超越していく作業を経なければ、世界連邦の実現は新たな戦争への火種にもなりうる。

 これまでも、平和というのは、理念を行動に移す時の軋轢によって、もろく崩れてきた。

 世界連邦は重要な意味のある思想であるが、単純に平和とつなげたり、戦争と直結させると逆に意味が分かりにくくなる。むしろ、経済や生活とリンクさせた方が良いと思う。

 戦争になっていく時には催眠商法のように思考を単純化させる風潮がはびこる。複雑に、いろいろな角度から、いろいろなことを考えて、思い込まないことが大切だと思う。

 

 夜は京都に行き、地域医療に関する懇談会に出席した。


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