若い女性司会者から、「つづいて“キョムソウ”さんの
登場です!」と言われたことは何回かある。町で立って
いても、「オッ!キョムソウだ」と云われることは度々。
「“キョムソウ”って、どういう字を書くか知ってますか?」
と、虚無僧の私に質問してきた御仁もいた。
「虚無僧」の文字は知っていても、「こむそう」と読めない
人が多い。
実は「虚無僧」は当て字。江戸時代の初期までは「薦(こも)
を携行していたから“こもそう”」だった。「薦僧、虚妄僧」
などと書いた。
寛政7(1795)年に刊行された『虚鐸(きょたく)伝記』には、
「楠木正勝が“虚無(きょむ)”と号して、尺八を吹いて
諸国行脚したことから、“虚無僧(きょむそう)”と呼ば
れるようになった」とある。創作話だが、江戸末期には
「キョムソウ」だったのだ。
というわけで、「キョムソウ」でもいいか。流れに逆らわ
ないのが虚無僧だ。
「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。
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