現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

横山勝也師 訃報

2010-04-24 22:22:44 | 虚無僧日記
巨星落つ。横山勝也師が亡くなられた。75歳。
「竹ちゃん」からのメールで知った。丁度横山師の
ビデオを見て『三谷』を練習していたところだった。

最後にお目にかかったのが、2002年の東京で開催された
「国際尺八フェスティバル」。もう8年も前になるか。
その直前に倒れられたとかで、付き人に支えられての
姿に驚いたものであった。

「国際尺八研修館」のH.P.によると、

 4月21日14:55 大腸癌のため逝去

 通夜:平成22年4月25日(日) 18:00
 告別式:平成22年4月26日(月) 10:30~12:00
   於:宝仙寺 大師堂
 
◆通夜、告別式、ともに直門の方によって「山谷」2尺4寸管にて(暗譜)
 と「手向」1尺8寸にて(暗譜)の演奏がされる。

『さんや』は「三谷」「山谷」と漢字が当てられるが、具体的にどこの
谷と特定されているわけではない。インドサンスクリット語で「ゼロ、
空、無」のことを「Shunya」と云うらしい。正に禅の極地「空」の曲
ではないか。 

今日から三日三晩、つまり“三夜”は『三谷』で過ごそう。


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多田富雄氏逝去

2010-04-24 22:22:02 | 虚無僧日記
免疫学の多田富雄氏が死去 能にも造詣(共同通信) - goo ニュース

免疫学の多田富雄氏が逝った。一面トップのニュースに
なるかと思ったが、マスコミは意外と小さな扱いだ。

人間には、病気に対する抵抗力、自浄作用がある。
それを掌る T 細胞を発見して、世界の注目を浴びた。

ところが、脳梗塞で倒れ、手足も言葉も不自由になってからの
生き様が、H17年、NHKスペシャルでとりあげられた。
私はそれを、偶然にも、再放送と2回見た。

番組名は「脳梗塞からの“再生”免疫学者・多田富雄の闘い」。

NHKからの取材要請に、「ありのままを報道して構わない」と、
だらしなく涎をたらす姿をさらけ出しての映像に衝撃を覚えた。

不屈の努力によって、わずかに動く左手指でパソコンを打ち、
会話だけでなく、「能」の新作に取り組まれた。そして上演
されるまでのドキュメントだった。

テーマは「原爆」。原爆で亡くなった人たちの霊が、自分に語り
かけてくるのだという。言葉を失った人が、霊魂の叫び、天の声
を聞けるようになったという話は、私は他にも知っている。

信じない人もいるが、医学博士の多田富雄氏が言うのだ。その魂の
叫びのような『能』に私は圧倒された。世阿弥もそうではなかった
かと思える。『能』は精霊の声なのだ。

五木寛之も、『親鸞』を書くにあたって、「私が書くのではない。
親鸞がそう書けと私に言っている」のだと。
梅原猛も「世阿弥が私に“書け”と命じている」と言っている。


あの世とこの世をつなぐ代弁者でもあった多田富雄氏が 76歳で、
この世でのすべての役割を果てして、生涯を終えた。氏の言葉

「死ぬことなんかたやすい、生きたままこれをみておけ、
 地獄はここだ、遠いところにあるわけではない、ここなのだ・・・」

「何もかもうしなった。それを突き詰めると、何かが見える」と。


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