現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

必死剣 鳥刺し

2010-07-11 18:08:25 | 虚無僧日記
「鳥刺し」。鳥の刺身ではない。藤沢周平原作の映画。
昨日封切られ、さっそく今日見てきた。

主演は豊川悦司。デビュー当時は、細面に細い目の
個性的な顔立ちで好きだったが、この映画では、すっ
かり太った顔で、がっちりした体つきの 中年おじさん。

姪子役の池端千鶴は、小柄で、豊悦の肩までもない。
アンバランスな二人のからみには、思わず目をそむけた。

時代劇は好きなだけに、アラ探しをしてしまう。
豊悦の刀さばき、納刀、立ち居振る舞いが、細かい点で
気になる。

海坂藩は小藩だから、「280石」となると大身である。
兼見三左エ門は殿の側室を殺めて「150石」に減封される
が、それでも100石以上なら、騎馬を許され、用人、中間ら
使用人を抱えられる身分だ。中間を解雇しなくともよい
はず。

もっとも、海坂藩も架空の藩なのだから、「280石取りの
近習頭取」や「中老」、さらに「別家」なども、架空の役職
名か。

ところで映画の感想は?
「兼見は別家の帯屋と組んで、バカ殿を殺して、藩政を
立て直す」というストーリーの方が、勧善懲悪でスッキリ
する。それでは、秘剣「鳥刺し」を使う場面が無くなるか。

結局「鳥刺し」だが、死んだふりをしての騙し討ちか、
死んだ者の怨霊が成せるホラー映画か。いずれにしても、
ありえない。それが小説というものだから、ま いいか。