現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

つかこうへい氏逝く

2010-07-14 03:49:24 | テレビ・映画・芸能人
つかこうへいさん、肺がんで死去…享年62(読売新聞) - goo ニュース

つかこうへい氏。慶応の同期だ。少なからず影響を受けた。
70年安保闘争を横目で見ながら、彼は演劇に、私は尺八に
没頭した。

「蒲田行進曲」には泣けた。一緒に観た妻は「男の身勝手。
こんな映画嫌い!」と一蹴。その時から二人の間に亀裂が走った。

10年ほど前だったか、ある雑誌でつかこうへい氏のインタビュー
記事を読んだ。

「安保闘争には直接関わらなかった。だが、彼らのエネルギー
には共鳴するものがあった。ところが、ゲバ棒振っていた連中が、
手の平返して大企業に就職している。この逆転劇は何?と思い
つつ、自分はあの時代にこだわって生き続けている」

というような内容だったか。私と全く同じ心情に驚いた。
安保闘争時に学生服を着て尺八なんぞ吹いていれば「保守
反動」と標的にされた。彼らと戦いつつも、共感するところもあり、
その後の自分の中には、社会への反骨精神が芽生え、邦楽界の
革新派を自負してきた。出世も棒に振った。ところが気がつけば、
ゲバ棒を振っていた連中が大企業で出世し、世の中は“保守安定”
を求めている。自分は、ずっと 70年で立ち止まったままだった。

つかこうへい、62歳。私と同い年での早すぎる死。その遺書。

「私には信仰する宗教もありませんし、戒名も墓も作ろうと
思っておりません。対馬海峡あたりで散骨してもらおうと
思っています」

どこまでも私と同じ。ただ 私は つかこうへい氏の 何百分の
一も残していない。私は『蒲田行進曲』の「ぎんちゃん」
(小心者で落ち目の往年のスター)で終わろうとしている。

「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。

一休と虚無僧」で別にブログを開いています。

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