現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

大量殺人「津山事件」

2011-09-13 20:51:44 | 虚無僧日記
中居くん主演の『砂の器』では、父「千代吉」がいわれの無い
村八分に合い、村長以下 村人30人を殺して息子(秀夫)を連れて
逃げる。これは「津山事件」をネタにしているとのことで
津山事件」のことを知った。

「津山事件」は、昭和13(1938)年、岡山県の津山に近い西加茂村で
起きた。一夜にして30人の村人が殺された稀有な大量殺人事件である。

犯人は「都井睦雄」という 当時 21歳の青年。
彼は幼い頃に 結核で両親を亡くし、姉とともに祖母に引き取られていた。
睦雄は病弱だったが、尋常小学校での成績は優秀、級長にもなっている。
しかし中学進学時、両親と同じ結核を患っている事が発覚。進学を諦め、
家の中で安穏とした生活を送っていた。
 
徴兵検査で、結核のため「丙種」となったことで、交際していた
女性たちも、途端に彼を拒絶するようになる。

「村八分」にされた彼は、猟銃や日本刀を買い集め、村人への
復讐を計画する。

そして、学生服にゲートル、頭には2本の懐中電灯を括り付けた
ハチマキを巻き、ベルトに匕首、右手には日本刀、左手に猟銃を
持つといった出で立ちで、村の各戸に押し入って、次々と殺戮を
行った。

その様相は 横溝正史の『八つ墓村』のモデルとなっている。

ネットを引くと、彼は最後に自殺したにもかかわらず、彼の
幼少の頃の言動や性格などが、実に詳しく掲載されている。
遺書もおそろしく長文で、心の葛藤が連綿と綴られている。
事実は小説よりも“面白い”、と思うのは私だけか?。

『山月記』の李徴は 私か

2011-09-13 19:51:04 | 虚無僧日記
「隴西の李徴は 博学才穎」で始まる 中島敦の『山月記』が
またまた話題に上っていた。高校の国語の教科書に載って
いたから、誰でも知っているかと思いきや、周りの人に
聞いても誰も「知らない」という。知らない方がいい。

ある高校教師のブログに「あれは、教えるの難しいから
飛ばした」ともあった。

たしかに「なんで、こんな小説が国語の教科書に載るのか」
という疑問の方が大きかった。

自分は才能があると自惚れながらも、その才能に自信が無い。
己を恃み、世に入れられず、時代を恨み、世を拗ねる。
あげくのはて、旅人を襲って喰う“虎”になってしまう。

そんな「李徴」に、私は自分の将来を見る気がしたし、
結果はその通りになった。

60年生きて、何ひとつ描いた夢を果たせず、時に「虎」に
なって暴れたい衝動にかられる。

毎日のように報道される「殺人事件」。その犯人も
そうではないか。その瞬間に「虎」となり、人事不省に
陥るのだろう。殺してから 後で吾に返って、罪を悔い
改める。

私も一歩間違えば、塀の中。虚無僧は己を殺す修行。
宗教や倫理の会で、必至に己を殺しているが、人を
殺したい衝動が抑えきれない時もある。ああ今宵、
「虎」に変身しタイガー。まだ「理性」は生きている。