この作品も以前読んだことがある。最初の方を読んでいるときは、まったく思い出さなかったが毒物がオレンジマーマレードに入っている箇所ではっきりおもいだした。
『苦い毒をオレンジマーマレイドに入れて、おかしいと思われなかったんだろうか、でもオレンジマーマレイドには少し苦味があることがあるからな』と、作品を読んでそう考えた覚えがある。
いつも感じることだが、マザーグースの子守唄をもとに殺人を計画するなんて人間がいるとは思えない。『そして誰もいなくなった』では歌詞がすごく効果的に使われているが、他の作品では、例えばこの『ポケットにライ麦を』とか『マギンティ夫人は死んだ』『五匹の子豚』では、たいした効果をあげていない。かえって不自然で無駄なような気がする。日本の推理小説でも横溝正史の『悪魔の手まり唄』などは、このパターン。
イギリスでは、メーカーの社会的評価は低いようだ。このミステリの最初の被害者レックス・フォテスキューも投資信託会社の社長で、大戦後の混乱期にうまく立ち回り、巨万の富を築いた人。
クリスティの作品に出てくる登場人物の職業は、投資信託とか銀行、株の仲買、医師、弁護士をやっている人がほとんどで、製造業を職業としている人は少ない。
これって、なぜ?
製造業は外国人にまかせ、イギリス人は金融でスマートにもうけよう、ということなのか。額に汗して働く、ということを尊ばない。
だから作中の人たちの会話も投資の話がよくでてくる。投資が失敗してもらった遺産をすべてすってしまった、ということが殺人の動機によくなる。投資って仕事?そりゃ日本でも投資家という職業はあるが、素人が投資してその配当や値上がりを期待してぶらぶらしていれば、あの人は無職、ということになる。数はそれほど多くない。しかしクリスティの作品の中には、そういう人がどっさり出てくるのだ。ギャンブル好きの国民性だからだろうか。
『ニート』が今、社会問題化しているが、この言葉が最初に出てきたのはイギリス。やっぱり製造業を低く見るという風潮が関係しているんだろうか。
『苦い毒をオレンジマーマレイドに入れて、おかしいと思われなかったんだろうか、でもオレンジマーマレイドには少し苦味があることがあるからな』と、作品を読んでそう考えた覚えがある。
いつも感じることだが、マザーグースの子守唄をもとに殺人を計画するなんて人間がいるとは思えない。『そして誰もいなくなった』では歌詞がすごく効果的に使われているが、他の作品では、例えばこの『ポケットにライ麦を』とか『マギンティ夫人は死んだ』『五匹の子豚』では、たいした効果をあげていない。かえって不自然で無駄なような気がする。日本の推理小説でも横溝正史の『悪魔の手まり唄』などは、このパターン。
イギリスでは、メーカーの社会的評価は低いようだ。このミステリの最初の被害者レックス・フォテスキューも投資信託会社の社長で、大戦後の混乱期にうまく立ち回り、巨万の富を築いた人。
クリスティの作品に出てくる登場人物の職業は、投資信託とか銀行、株の仲買、医師、弁護士をやっている人がほとんどで、製造業を職業としている人は少ない。
これって、なぜ?
製造業は外国人にまかせ、イギリス人は金融でスマートにもうけよう、ということなのか。額に汗して働く、ということを尊ばない。
だから作中の人たちの会話も投資の話がよくでてくる。投資が失敗してもらった遺産をすべてすってしまった、ということが殺人の動機によくなる。投資って仕事?そりゃ日本でも投資家という職業はあるが、素人が投資してその配当や値上がりを期待してぶらぶらしていれば、あの人は無職、ということになる。数はそれほど多くない。しかしクリスティの作品の中には、そういう人がどっさり出てくるのだ。ギャンブル好きの国民性だからだろうか。
『ニート』が今、社会問題化しているが、この言葉が最初に出てきたのはイギリス。やっぱり製造業を低く見るという風潮が関係しているんだろうか。