大好きな本・読んだ本
あまりにも意外な犯人だったから驚いた。しかし、よく考えてみれば、ぴったりの犯人かもしれない。
《ここからは、犯人に関することなので、このミステリをまだ読んでいない人は、この先を読まないで下さい。》
どんなに仲が良さそう、うまくいっているように見えても、家庭内のことは外からではわからない。特に今回のコーラとギルクリストの関係は、雇用主と家政婦というより、雇用主とコンパニオンみたいなものだから、なおさらである。コンパニオンというのは、なんというかイギリスのお金持ち階級の中高年独身女性は、同じ年恰好の女性を、お金を出してお友達として雇うことがあるのだ。これには、とても驚いた。そんな職業が成立するんだ!!
ミス・マープルシリーズの短篇集のなかにも、中年の金持ち女性と、そのコンパニオン(話し相手)が、旅先で事故にあい、金持ちが死んだのを幸いに、そのコンパニオン(話し相手)が金持ち女性になりすます、という話があった。
その事故が、故意か偶然かは覚えていないが、独身で中高年になると昔からの知り合いもどんどん少なくなる。ましてや旅先。若くてピチピチした美人だったら人目を引き、入れ替わるなんて無理だろうが、誰も注目していない枯葉色の中高年女性2人。片方が、相手の様子をじっとうかがい、癖をまねし、同じ服装をしたら、簡単に入れ替わることができるかもしれない。
雇用主が、尊敬に足る人物の場合、上記のことは起こらないだろう。だけど一緒に寝起きしている場合、いくらいい家政婦だって、相手の悪いところばかり目につくようになる。
画家の娘で、自分でも少し絵を描くギルクリストが、朝から晩まで芸術芸術と、ごたくを並べても何もわからないコーラ、金持ちだった昔のことばかりを自慢するコーラに、話をあわせ、うなづいて感心しなくてはならない苦痛は、大変なものだろう。
クリスティの作品には、コーラのような女性はどっさり出てくるが、このミス・ギルクリストのような人間は少ない。ポアロに犯人だと見破られた時の彼女のタンカは、なかなか読み応えがある。やっぱり、この作品が、1952年第二次大戦後の作品ということも影響しているんだろうか。
あまりにも意外な犯人だったから驚いた。しかし、よく考えてみれば、ぴったりの犯人かもしれない。
《ここからは、犯人に関することなので、このミステリをまだ読んでいない人は、この先を読まないで下さい。》
どんなに仲が良さそう、うまくいっているように見えても、家庭内のことは外からではわからない。特に今回のコーラとギルクリストの関係は、雇用主と家政婦というより、雇用主とコンパニオンみたいなものだから、なおさらである。コンパニオンというのは、なんというかイギリスのお金持ち階級の中高年独身女性は、同じ年恰好の女性を、お金を出してお友達として雇うことがあるのだ。これには、とても驚いた。そんな職業が成立するんだ!!
ミス・マープルシリーズの短篇集のなかにも、中年の金持ち女性と、そのコンパニオン(話し相手)が、旅先で事故にあい、金持ちが死んだのを幸いに、そのコンパニオン(話し相手)が金持ち女性になりすます、という話があった。
その事故が、故意か偶然かは覚えていないが、独身で中高年になると昔からの知り合いもどんどん少なくなる。ましてや旅先。若くてピチピチした美人だったら人目を引き、入れ替わるなんて無理だろうが、誰も注目していない枯葉色の中高年女性2人。片方が、相手の様子をじっとうかがい、癖をまねし、同じ服装をしたら、簡単に入れ替わることができるかもしれない。
雇用主が、尊敬に足る人物の場合、上記のことは起こらないだろう。だけど一緒に寝起きしている場合、いくらいい家政婦だって、相手の悪いところばかり目につくようになる。
画家の娘で、自分でも少し絵を描くギルクリストが、朝から晩まで芸術芸術と、ごたくを並べても何もわからないコーラ、金持ちだった昔のことばかりを自慢するコーラに、話をあわせ、うなづいて感心しなくてはならない苦痛は、大変なものだろう。
クリスティの作品には、コーラのような女性はどっさり出てくるが、このミス・ギルクリストのような人間は少ない。ポアロに犯人だと見破られた時の彼女のタンカは、なかなか読み応えがある。やっぱり、この作品が、1952年第二次大戦後の作品ということも影響しているんだろうか。