ケイの読書日記

個人が書く書評

横溝正史「犬神家の一族」を読んで

2005-12-04 17:48:48 | Weblog
大好きな本・読んだ本

 本当は「本陣殺人事件」を読みたくて図書館に行ったのだが、あいにく無くて、これを借りてきた。でも正解。

 
 昭和20年代前半、信州、生糸で財を成した孤児、その一族、遺言書、衆道、不倫、復員兵、絶世の美女、迷路のようなお屋敷、離れ、血みどろの猟奇的な連続殺人


 横溝正史のエッセンスが満載!!

 トリックがどうの、推理がこうの、と言うんではない雰囲気がすばらしい。


 どこまで続くかと思われる長い長い廊下。迷路のようなその廊下に沿って無数の座敷があり、どの座敷にも人影は無くて、屋敷全体がしいんと静まりかえっている。まるで座敷わらしが出てきそうだ。
 『離れ』と言っても、独立した玄関があり部屋数も5間ほど、渡り廊下で母屋につながっている。それに、この離れにまた茶室風の『離れ』が付いている。


 すんごいお屋敷!!ああー、一度でいいからこうゆう所に一晩泊まって屋敷内を探検したいなあ。


 私は自分が狭い所にちぢこまって暮らしているせいか、ドイルやクリスティの小説の中にでてくるヴィクトリア朝時代の古い大きいお屋敷にも、興奮してしまいます。


 かんじんの金田一耕助氏は、今回もあまり役に立ちませんでした。4人殺害されて、犯人には自殺されるし、散々でした。殺人を未然に防いで欲しいです。
コメント (4)
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