ケイの読書日記

個人が書く書評

ポール・アルテ「第四の扉」

2006-09-15 11:21:30 | Weblog
 たかさん、お勧めの作品。フランス人作家のミステリだから、あまり期待しなかったけれど、予想を大幅に裏切りとても面白い。


 オックスフォード近郊の村に建つダーンリー家の屋敷には、奇妙な噂があった。数年前に密室状態の屋根裏部屋で、むごたらしく死んだダーンリー夫人の幽霊が出るというのだ。
 その屋敷に霊能力を持つと称するラティマー夫妻が引っ越してくると、さらに不思議な事件が続発し、殺人事件までもが起こる…。


 作者のポール・アルテは『密室殺人+怪奇趣味=フランスのディクスン・カー』という振れ込み。
 怪奇趣味の方は本家のカーにはるかに及ばないとしても、密室殺人トリックの方はカーを超えてるんじゃないかと思う。(ちょっとホメすぎ?)

 色んな仮説がトルー警部の口から語られているが、くどくなくスッキリと論理的にまとまっている。無駄な部分がない。


 名探偵役はアラン・ツイスト博士。フィル博士をイメージしたらしいが、大食漢で大酒のみ、肥満、女好き、毒舌家のフィル博士とは、全く似てないと思うけど…。
 それとも、ツイスト博士はこれからどんどんフィル博士化していくんだろうか?
コメント (3)
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