ケイの読書日記

個人が書く書評

小谷野敦「帰ってきたもてない男」

2006-12-07 11:00:13 | Weblog
 ”猫まんま”さんが教えてくれたので、さっそく図書館で予約。楽しみにして読んだ。
 前作は、文芸案内書かエッセイか評論か分からないような体裁だったが、今回はエッセイ風にスッキリまとまっており、とても読みやすかった。


 しかし…この人はこの本の中で一体何回「ブス」と書いているんだろうか? 村上龍が自分の小説の中で「ブス、ブス、ブス」と何回連呼しても別に問題にはならないだろうが、国際日本文化研究所センター客員助教授、東大非常勤講師が「ブス、ブス、ブス」と叫ぶと、さすがにまずいんじゃないだろうか?
 そんな心配をしてしまうほど「ブス」が、どっさり出てくる。


 相変わらず小谷野氏は、自分がもてないことを「背が低いから」「運動神経が鈍いから」「楽器が弾けないから」「男子校出身だから」etcと理屈をこじつけている。
 しかし、東大大学院卒という最高級のブランド包装紙で包んでも売れない、売れても返品されるというのは、ぶっちゃけ中身が悪いからではないだろうか? 悪いと言うより腐ってる?……


 彼は、後ろの方に「七か条の求婚条件」というのを載せている。これがまあ、正直でいいといえばそうなんだろうけど、40歳を過ぎたいい大人が、よく文章化するなぁ、という内容。興味のある人は読んでください。

 また「出会い系サイト」潜入、「結婚相談所」潜入体験レポートもあり、すごく面白い。特に後者の「結婚相談所の入会勧誘おばさん」との仁義なき戦いは本当に笑えます。
コメント (7)
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