ケイの読書日記

個人が書く書評

日垣隆「偽善系 やつらはヘンだ!」

2007-01-11 17:38:54 | Weblog
 この人の本は、いままで一度も読んだ事はないのだが、新聞にちょこちょこ論評を書いているので、名前だけは覚えていた。

 タイトルが示すとおり「この国に蔓延する偽善系」をスパッと切捨て胸のつかえが取れてスカッとする、溜飲が下がる思いのする文章だが、この人が自分の親戚のおじさんだったり、隣の住人だったりすると、困るだろうなぁとも思う。
 ツッコミが激しすぎるのだ。

 特に第5章の「さらば20世紀の迷著たち」の章で同業者のノンフィクション作家 鎌田慧をボロクソにこきおろしているが、仕事に支障がでやしないか、こっちが心配になってくるほど。


 ところで第3章「少年にも死刑を」で中学生だった日垣氏自身に降りかかった痛ましい事件が述べられているが、あまりにも驚いたのでここに書き写しておく。


 同じ中学に通っていた仲のいい弟を何の意味もなく殺され、直接手を下した者が13歳だったため、少年院はおろか教護院(教護院に処遇するためには犯人である少年の親の同意が必要)にすら入ることなく、翌日から中学校に登校して来た。
 彼は周囲には何も知られず、いつもどおり笑っていた。顔がひきつったのは、兄である私と廊下ですれ違う時ぐらいだった。
 これが少年法にいう更生なのか。まるで犯罪そのものが存在しないかのようであり、教師たちはその事実を隠しとおし、あたかも弟は勝手に事故でも起こして消失したかのような扱いを受け続けた。


 こんなんアリ?
コメント (2)
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