ケイの読書日記

個人が書く書評

高木彬光「刺青殺人事件」

2007-01-16 14:45:25 | Weblog
 「最も完璧なアリバイを持っている者が最も犯人に近い」という推理小説のセオリーを当てはめれば犯人はすぐ見当がつくが、トリックが…ね、なかなか凝っていると思う。


 昭和21年、まだ敗戦の混乱から抜け出せない東京。
 女性のバラバラ死体が、密室となっている浴室から発見されるが、そこには見事な刺青が彫られているはずの胴体が無かった。一体誰が何のために持ち去ったのか?
 第一の事件の解決のメドも全くたっていない中、続いて第二第三の殺人が起こる。


 バラバラ殺人と言えば、外資系エリート証券マンの夫をバラバラにして捨てた、ブラント大好き美人妻のことが思い出される。

 「バラバラにする」と口でいうのは簡単だが、痩せ型といっても180cmの男をノコギリでバラバラにするのは大変な作業だろう。この奥さん、本当によくやったなぁ。共犯者はいないんだろうか?


 以前、歯科技工士の女が、同棲している男を殺し、バラバラにしようとしたが、首を途中まで切ったところであまりの大変さに断念し死体を残して逃げ出し、逃亡先でつかまった、という事件があった。
 そんなもんだろう。よっぽどの精神力がない限り、死体をバラバラなんかにできないよ。
 夥しい血や臓物はどうする?!

 この奥さんが、首と手首を切り落とし腰から上の腐臭がする血まみれの死体を、よいしょと抱きかかえ黒いポリ袋に入れるとこなんか想像するだけで、どんなホラー映画より怖い。
コメント (4)
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