ケイの読書日記

個人が書く書評

アイザック・アシモフ「黒後家蜘蛛の会」

2007-08-01 11:41:04 | Weblog
 ブックオフの推理コーナー¥100均一の所でこの本を見つけた時、ちょっと驚いた。
 アイザック・アシモフという人はSF作家だとずーっと思っていたから。

 私も子どもの頃、彼のSFを読んだ覚えがある。残念ながら私はあまりSFに興味を持てなかった。だから、話の内容は全く覚えていない。しかし、彼がすこぶる有名なSF作家だという事は、いくらなんでも知っている。

 それにフジテレビで以前やっていた『トリビアの泉』の最初のナレーションの部分で、アイザック・アシモフの名前は出てくるので、知ってる人は多いだろう。

 しかし彼はSFだけでなく、推理小説も、歴史小説も、シェイクスピアについての論評も書くのだそうだ。スゴイ!!


 この黒後家蜘蛛の会の会員である6人と給仕のヘンリーの知的水準も素晴らしく高い。シェイクスピア全編と聖書をほとんど暗記している。(もちろんマリオ・ゴンザロのような自由人もいるが)
 イリオスやオディッセイアも出てくる。この小説を十分読み解こうと思うなら、あらゆる時代の西洋文明を理解していなければならないだろう。

 竹内久美子氏が言っているように「西洋人の知的レベルというのはとてもバラつきがあって、すごい人は本当にすごいのである」
 こんな人がいる国と戦争をやるなんて無謀もいいとこである。

 この1作目は1972年に発表されたらしいが、反ユダヤ主義がどうの…という記述はあるが、全く黒人が出てこない。東洋人も出てこない。
 白人至上主義という感じですね。
 でも、あの時代の人なら仕方ないかも。
コメント
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