ケイの読書日記

個人が書く書評

上野千鶴子「おひとりさまの老後」

2007-09-10 10:36:10 | Weblog
 「結婚していようがいまいが、だれでも最後は一人」という帯につられて買った。確かに、女は特にそう覚悟しておいた方がいい。

 少子高齢化社会の今、家族と一緒にいる期間は短縮している。配偶者がいても、平均寿命から考えれば、ほとんどの場合夫の方が先に死ぬ。
 子どももいつか家を出て行く。

 だったら”ひとりで暮らす”ノウハウを早めに準備しておいてもいい。
 そのための「おひとりさまの老後」のスキルとインフラを考えようという本。


 上野先生はフェミニズムの権威だが、たいして特別な事が書いてあるわけでもなく、ちょっと拍子抜け。でもこの本の中で、吉田太一著「遺品整理屋は見た!」という本が紹介されてあって、これは私も図書館で借りて読んだが、めっけものだった。
 おひとりさま必読の書!!!

 おひとりさまは急変の際、早期発見されるよう万全を尽くせ!!


 しょせん、死ぬ時は一人。周りに人がいようと自分だけだろうと、死出の旅路は一人なのだ。だけど、その後速やかに発見されるようにしておくこと。
 そうでないと、とんでもない迷惑を周りにかけるから。

 その迷惑の実例が46例載っている。著者は誠実にユーモラスに書いてはいるが、やはり夏場のほかっておかれた遺体の痛みは凄まじく…ちょっと文章を引用できない。あまりにも気持ち悪くて。


 驚いたのは飛び降り自殺の時。もちろん警察は駆けつけるが、血や肉片が飛び散った道路の掃除は遺族が(または遺族の依頼をうけた専門業者が)やらなければならないんだってね。
 自殺する時は、後のこともよく考えなくては。
コメント (4)
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