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ケイの読書日記

個人が書く書評

二階堂黎人「猪苗代マジック」

2007-11-10 15:10:13 | Weblog
 先日読んだ笠井潔「魔」と同じ、文藝春秋の本格ミステリ・マスターズのシリーズ。著者に対するスペシャルインタビューや二階堂黎人論が載っているので読んでみた。

 二階堂黎人の名探偵というのは二階堂蘭子が有名だが、この○○マジックシリーズの名探偵は水乃サトル。

 背がスラリとしたすばらしいハンサムで、20代後半の独身男。大手旅行会社に勤めているので、色んな土地に行っては事件に遭遇するという、ちょっと浅見光彦みたいな設定なのだ。
 大学時代は100のサークルに所属し、多趣味多芸でオールマイティの知識を持っている。
 実家は京都の和菓子屋で、美人のお姉さんが3人。一番上の姉は政治家に嫁いでいて、3番目の姉は女優。(2番目の姉は何者? 気になるね)

 コメディタッチで書かれているが、トリックはなかなか本格的。秀作です。


 しかし、しかしですよ。女連れで探偵役をやるな!!!!と言いたい。美並由加里というカワイコちゃんを引き連れているんだよね。これは邪道だと思うよ。
 御手洗シリーズにくっついている里美(里美に石岡がくっついている?)ほど邪魔じゃないけど、やっぱり読書のモチベーションが一気に下がりますね。

 名探偵よ!もっとストイックになれ!



 ところで、二階堂蘭子シリーズは昭和40年代限定なんだね。私はまだ1作しか読んでいないけど、昭和43年に女子大生という設定だから、現代ならもうじき年金もらえそうな年齢になる。
 これでは読者はひきますよ。それに、怪奇的な作風には昭和40年代以前の方が似合ってるし。
コメント (2)
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