ケイの読書日記

個人が書く書評

川崎昌平「若者はなぜ正社員になれないのか」

2008-08-16 13:34:25 | Weblog
 川崎昌平という人は、前作『ネットカフェ難民』の時もそうだったが、何を書いても自慢話にしかならない人だ。

 東京藝術大学大学院修了後、2年間ぶらぶらしていたが、これではいけないと正社員目指して就職活動をする、その奮闘ぶりを書いている。
 しかし、別に正社員になりたいわけではないのだ。本を出版するそのネタに就職活動をしてみたにすぎない。
 『ネットカフェ難民』という本を出版したいがために、1ヶ月ネットカフェに寝泊りしたように。

 だいたい、大学院を出てから2年間、本当に何もやってないわけではない。日雇いのアルバイトをやりながら、この本を含め3冊本を出しているので、職業”文筆業”で通ると思うけど。


 本人は謙遜のつもりか、自分のことを頭が悪いとかグズ・ノロマとか書いているが、そんな頭の悪い人がどうして東京芸大にストレートで入学できるんだろう?
 何年浪人しても入学できない人が読んだら、秋葉原で暴れたくなっちゃうんじゃないだろうか。

 また、そういう筆者の元には、同じような学歴・教養はすごくあるのに、就職しない、できない高等遊民的な人たちが集まるのよね。


 最終的に筆者は「ウチに来ないか?」という入社の誘いを断り、現状を選んだ。ハナッから勤め人になるつもりなど無いのだ。
 真面目に就職活動をしている人には、すごく迷惑な1冊である。
コメント
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