ケイの読書日記

個人が書く書評

綾辻行人「水車館の殺人」

2009-02-13 10:56:09 | Weblog
 後表紙に綾辻行人の昭和62年当時と思われる写真が載っていて、それがマッシュルームカットでかわいいのなんのって
 大学院生時代の写真だろうなぁ。とっても初々しいです。

 水車館とあるので、ヨーロッパの童話に出てくる水車小屋の少し大きいバージョンかしら、と思っていたら、お城のような広大なお屋敷。
 回廊でぐるりと長方形の中庭を取り囲んであり、4角にそれぞれ塔が建っている。その西回廊の西隣に3連の大型水車が回っており、水力発電で屋敷の電気をまかなっている。お約束の中村青司の設計。

 館の主人は10年ほど前の事故で顔に大怪我をしてからは、人前では常に仮面を付けている。「犬神家の一族」のような設定。だから、だいたいトリックはわかるが、意外性を狙ってないスタンダードな展開が、スッキリして好感が持てる。「ドンデン返し」の連続って疲れます。

 いつも感じるが、館シリーズって館の規模に対して使用人が少なすぎ。この広大な屋敷を執事1人と家政婦1人2人で切り盛りしていくのは無理。
 だいたいこのだだっ広い中庭をどうするんだろう。小規模小学校の運動場くらいありますよ。庭師が3人くらい必要です。
 それに執事に水力発電のメンテナンスをさせるなんて危険じゃない?
 もっと使用人を増やせばいいのに。書くのが面倒なのかな。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする