ケイの読書日記

個人が書く書評

川上弘美「風花」

2009-02-18 14:25:31 | Weblog
 話題になっていたので図書館で予約したら、半年以上も待たされた。川上弘美って人気あるんだね。

 結婚7年目の主婦・のゆりが、愛人ができたダンナから別れ話を切り出される、というのが話の始まり。
 ここで、他の女流作家だったら、のゆりが亭主に愛想を尽かし家を出て紆余曲折があるにせよ仕事でも成功し、うんと年下の恋人が現れ…というストーリーになるのだろうが、そこは川上弘美。そんなご都合主義にはならない。
 のゆりに「私まだ卓ちゃん(ダンナの名前)の事が好きなの」と言わせている。また、ダンナからのゆりに「君にはプライドというものが無いのか!」と凄い言葉を投げつけさせている。

 別れ話のきっかけとなった愛人の他にも愛人がいて、さすがにのゆりも別居する。ところがダンナの方は愛人とギクシャクし出して、のゆりの元に戻って来たい様子。しかし今度は、のゆりの方から「別れよう、わたしたち」と口に出す。

 どうなるんだろうね、この夫婦は。架空の話だが考えちゃう。まぁ、別れないんじゃない?

 「男が本当に女を必要とする時、女は去ってしまっておらず、女が本当に男を必要とする時、男は去ってしまっていない」
 高校の時、先輩から教えてもらった言葉だけど、それを思い出しますね。
コメント
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