ケイの読書日記

個人が書く書評

島田荘司「摩天楼の怪人」

2009-04-14 10:47:01 | Weblog
 高層の摩天楼が舞台なので「水晶のピラミッド」を何となく思い出した。あれより現実的な話です。

 1969年、ミタライがコロンビア大学助教授だった時のこと、という設定。
 ミタライは「将来のノーベル賞有力候補」という触れ込みで、瀕死の大女優に紹介され、彼女の50年前の事件の謎を解いて欲しいと依頼(挑戦?)される。

 ミタライが日本でしょぼくれた占い師をやる前は、アメリカで大学の先生をやっていたという話はどこかで読んだことがあるので違和感は無かったが、この時のとても社交的なミタライには驚く。
 本文にはこう書いてある。

 「妙に華やかな気配を発散させる男で、だから私は演劇関係者なのだろうと思った」

 ええええ????これって御手洗潔の事?! 「パラレルワールドのミタライ」じゃなくて?
 最後までこんなカンジ。明るく華やかで生命力に満ち満ちているミタライ。最後にはなんと!!ロッククライミングまでやってしまうのだ。

 いったい何が彼にコロンビア大学助教授の職を捨てさせ、日本に行かせたのか?
その謎の方が、大女優50年前の謎より興味あります。だってミタライこの時まだ20代の半ばのはずだよ。うーん、何があったんだろうね。

 島田作品には珍しく、カラーイラストやマンハッタン島の地図も付いている。こういうのを見ると、一週間ほどマンハッタンの高層ホテルに滞在し、夜景を楽しみたいなぁとつくづく思います。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする