ケイの読書日記

個人が書く書評

島田荘司「御手洗潔の挨拶」

2009-08-07 10:11:49 | Weblog
 比較的初期の御手洗作品。四つの中篇が収められている。

「数字錠」  トリックよりも、なぜ御手洗と石岡がコーヒーを飲まず紅茶を飲むのかという理由が、これを読むと分かります。

「失踪する死者」  奇抜なトリックばかりに目が向くが、そもそもどうして常習犯罪者が、こんなリッチなお宅に招待されていたのか、それが不思議。

「紫電改研究保存会」  これを読めば、誰でもホームズの『赤毛同盟』を思い出すと思う。このカモになった男は新聞記者なのに、この話を読んだことないのか?!
 でも登場人物がユーモラスで4作品の中では一番好みの作品。
 そうだよ、くれてやりなよ。そんな物。

「ギリシャの犬」  うーん、あの暗号にはこういった意味があったのか。でも読者の中で、この暗号を解いた人がいるんだろうか?


 最後に島田荘司は「新・御手洗潔の志」を後書きとして載せている。
 御手洗潔を、テレビドラマの原作に欲しいと言われることが多いそうだ。ただ、島田荘司は、それをすべて断っている。その理由が書かれているが…よくわからんなぁ。彼の日本人論は。
 日本人は、日本人は…って繰り返し何度も書いているが、どうして1億3千万人いる日本人を一括りにするんだろうか。
コメント (4)
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