ケイの読書日記

個人が書く書評

有栖川有栖「壁抜け男の謎」

2010-07-24 21:11:46 | Weblog
 犯人当て小説や本格パズラー、彼にしては珍しい近未来SF小説など、ごちゃ混ぜの16の作品が収められている。
 なんといっても官能小説まであるんだから!!!
 まあ、官能小説目当てでこの短篇集を読むとガッカリするけど。

 この短篇集の中の『ガラスの檻の殺人』と『キンダイチ先生の推理』は、以前何かのアンソロジーで読んだ事がある。
 特に後者のキンダイチ先生こと錦田一(にしきだはじめ)と中3生のボクのコンビはなかなかのお気に入り。
 このコンビが活躍する他の作品はないんだろうか?

 あと、中井英夫へ捧げるオマージュもある。有栖川有栖と中井英夫って、作風から考えるとあまり結びつかない気がするけど、ファンなんだろうね。
 江神二郎が『虚無への供物』を小脇に抱え、何度も読み返しているそうだから。


 とにかく、色んな有栖川有栖が読めます。職業作家として依頼主に誠実な仕事をしている事がよく分かる1冊。
コメント
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