ケイの読書日記

個人が書く書評

林望「天網恢々」

2011-11-11 11:27:16 | Weblog
 新聞の書評欄で紹介されていて、面白そうだったので読んでみたが…うーん、残念な作品。
 林望のエッセイは好きで、ちょこちょこ読むが小説は初めて。失礼だけど、ツマラナイ。

 道具立てはいい。
 
 面白い噺が大好きで、拾い集めてくる者を自分の屋敷で歓待する、江戸南町奉行・根岸肥前守鎮衛(やすもり)
 この男のもとに、人相見の浪人、薬売り、元すりの名手達が町で聞き込んだ悪事や奇妙な出来事を持ち込むと、鎮衛は快刀乱麻に解決していく。
 善人はあくまで善人、悪人も鎮衛の徳の前に改心する。
 ハラハラもドキドキもイライラも、ひねりも何もない。あまりにもぱっぱと裁いていくので、えっ!? もう解決?! とガッカリする。

 そう、遠山の金さんのスケールの小さい版。テレビドラマの1時間物にもならないなぁ。30分がせいぜい。
 遠山の金さんは「この桜吹雪が目に入らぬか」という決めゼリフと共に自分の見事な刺青を見せるシーンがあるが、この鎮衛には、見せ場がない。

 もうちょっと、何とかならないものだろうか?
コメント
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