ケイの読書日記

個人が書く書評

恩田陸「きのうの世界」

2011-11-26 13:39:58 | Weblog
 水無月橋という風流な名前の小さな橋で、一人の男が刺殺される。ところが、その男は1年も前に東京の会社から失踪して行方不明になっていた男だった。

 この話を妹から聞いた女性は、興味を持ち、現場近くに滞在し事件を調べていく。そうするうちに、この「塔と水路の町」の不可解な現象が、なんらかの意味を持っているように思われ…。

 うーん「塔と水路の町」の謎は、すばらしくミステリアスで魅力的。しかし、この秘密を守るため人の生命を脅かすというのは、説得力が無いね。そこまでの秘密だろうか?

 それよりも、この死んだ市川吾郎の持っていた特殊能力(見たものをカメラのように映像で記憶できる能力)がスゴイ!!!

 でも、こういう人ってごく少数だけど居るらしいね。マンガの中でも『探偵学園Q』に出てくる女の子がこの能力を持っていた。
 将棋や囲碁のプロ棋士って、この能力を持っている人が多いとも聞いた。そうじゃなきゃ勝てないよ。

 それに、地図を見ているだけで実際の地形が頭に浮かんでくる人も、本当に居るらしい。
 『大菩薩峠』を書いた中里介山は、現地には行かず、地図を見ただけで地形や風景を小説に書いたと、私は中学校の社会科の先生から聞いた事がある。(40年前)

 いやー、スゴイ人はいるもんですなぁ。
コメント (2)
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