ケイの読書日記

個人が書く書評

奥田英朗「ガール」

2012-09-20 14:52:33 | Weblog
 図書館で見つけ、映画化されたと聞いていたので、すぐ借りる。

 30代キャリアウーマン5人を、それぞれ主人公とした5つの中編集。
 彼女たちのキャリアがすごいのだ。

 大手不動産会社に入社して14年目。営業3課課長の肩書がついた女性。
 大手生命保険会社の広報課勤務。入社12年目。マンションを買おうとする女性。
 300人に1人という超難関を突破して広告代理店に入社し10年。誰もが振り返る美人社員。
 自動車メーカーに就職し、32歳で離婚、シングルマザーに。今年36歳になる営業部の女性。
 老舗文具メーカーに入社10年目。イケメン新人君の指導に当たる女性。

 うわ~!! すごい人ばっかり!  会社の業績不振リストラとか結婚退職を勧められたとか、一切なし。ものすごく恵まれた職場の総合職女性ばかりを描いている。

 特に、友人がマンションを買ったので、自分もマンションを買おうとする大手生命保険会社・広報課勤務の女性。
 なんと!!! 彼女は家賃16万の賃貸に住んでいるのだ! えええええ??? 大手生命保険会社って、日本生命みたいな所がモデルだろうけど、そんなに給料がいいの?入社12年目、本社勤務の女性だよ。
 いっくらなんでも月16万円の家賃が払えるとは…。ブランド物の服やエステや海外旅行にも行っているようだし。
 という事は、手取りHOW MUCH?  あーーー妬ましい!!

 でも、社員のそんな高給は、生命保険加入者の支払う保険料が支えてるってことでしょう? 世間並みの給与だったら、支払保険料はもっと下がるんだ!
 だから、インターネットの生命保険に、顧客をどんどん奪われるんだ。
 今、生命保険の外交員さんたちも、どんどん辞めてるもんね。

 お金の事ばかりを考えさせられた1冊でした。
コメント
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