ケイの読書日記

個人が書く書評

貴志祐介「硝子のハンマー」

2012-09-25 14:17:45 | Weblog
 ちょっと前、TVドラマで『鍵のかかった部屋』というのをやっていた。私はドラマはほとんど見ないが、面白そうだったので全回見る。
 へー、これって貴志祐介の原作か…と知り、『鍵のかかった部屋』を図書館で予約すると、当然ながら数十人待ち。

 防犯の専門家・榎本(大野智)、弁護士の青砥純子(戸田恵梨香)、純子の上司の法人専門弁護事務所所長(佐藤浩市)の3人組とはしばらく会えないな、と諦めていたら、図書館の書架でこの『硝子のハンマー』を見つける。

 TVドラマでは、この『硝子のハンマー』は最終回だったが、原作では、このシリーズ最初の作品なんだ。
 キャラも少しずつ違っていて、TVでは、榎本の純子に対する好意は隠されているが、原作では露骨!に口説いてます。
 あと、原作では、純子の上司の所長がいないのが残念。
 あの金儲けの事しか考えていない所長が、いい味出してたのにね。

 そうそう、大事なことがあった。TVドラマでは、榎本が密室の謎を考えている時に、耳のそばで指をこすり合わせ、鍵を開ける仕草をして「密室は解けました」という決めポーズ・決めぜりふがあったけど、原作にはそれがない。だから、ちょっと物足りない気がするな。

 トリックとしては、すごく考えられた本格の密室ものだけど、ややこしい。
 私はTVドラマを見ていたので、理解しやすかったが、小説だけでトリックを理解しようとすると大変。


 それから、著者紹介を読んで気が付いたんだが、1959年生まれで京都大学経済学部卒だから、綾辻行人と同期なんだ。デビューはうんと遅いけど。
 へーぇ、あの時代の京都大学は、すごい人がいっぱいいたんだね。
コメント (2)
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