ケイの読書日記

個人が書く書評

京極夏彦X柳田國男「遠野物語REMIX」

2013-11-06 10:39:10 | Weblog
 以前、柳田國男の「遠野物語」は読んだ事があり、とても面白かったが、明治40年代の文章なので、スラスラ読めるという訳にはいかなかった。
 これは、それを京極夏彦が現代語訳していて、大変読みやすい。

 表紙裏には、明治時代の遠野郷と、現代の遠野郷エリアが載っていて、作品中に出てくる地名をルーペで探しながら読んだ。老眼になりつつある私には、ルーペが無いと無理!!
 岩手県の釜石から、内陸に入った盆地地方なのだ。遠野という場所は。

 水木しげるが、なぜ遠野出身じゃないのかと訝るほど、ページをめくると出てくる出てくる、河童や山姥や山男山女、天狗、狼、狐、熊 etc。

 山の中だから、山姥がよく登場するのは分かるが、河童もひんぱんに出てくる。それもエロガッパ!!
 人間の女の所にせっせと夜這いに来る。やがて女は妊娠。河童の子を産む。生まれた子をどうするかというと、いろんな話が伝わるが、だいたい捨てる。または殺す。

 現代では、どこかの不届きな男が間男に通ってくると分かっているが、当時は本当に河童が間男なんて思ってたんだろうか? だって明治の話だよ。
 旦那や親が見張っていても、河童が来る日の夜は、どういう訳か、身体が動かなくなり、なすすべないらしい。
 これだって、女が食事に眠り薬を盛ったんだって!! そのくらい気づけよ!!!

 他にもエロ猿が出てくる。歳を経た動物は、様々に怪しい行為をするようだ。それを経立(ふったち)と呼ぶらしい。猿の経立は女色を好み、村里の婦人を盗み去るという。うっそーーーー!!!
 他にも、馬と夫婦になった美しい娘の話など、なかなかエロチック。
 人間よりも動物の方が、うんと数が多いから、こういう話が出来るのかな。
コメント
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