ケイの読書日記

個人が書く書評

高田崇史「毒草師」

2013-11-28 13:58:06 | Weblog
 QEDシリーズで有名な高田崇史だが、私は読むの初めて。
 それにしても…探偵名が、御名形史紋(みなかた しもん)とは、すごいキラキラネーム。名前だけで主役って分かっちゃうね。これでワキ役だったら怒ります。
 役者さんがこんな芸名付けたら、かえって干されるかもね。チョイ役に、こんな芸名、使えないでしょ? という、どうでもいい事を考えながら、本作品を読む。

 帯に「事件の謎を解くカギは『伊勢物語』にあった」と書かれてあるけど、ないない。ただ、こういった古典に関するうんちくをイヤというほど書いてある。それはそれで興味のある人には面白いかも。
 だから、このうんちく部分を抜くと、たいした分量の本ではない。そういう所は、京極堂に似てるかな?


 東京の旧家で起きた、密室からの連続殺人事件と、謎の毒物による殺人事件。それに、近親相姦がからんで、複雑な様相をみせる。密室のトリックは…トリックといえるのかなぁ。
 題材は、横溝正史みたいだけど、淫靡さがまったく足りない。あまりにも明るくカラッとした近親相姦だけど、こんなのアリ?!
 横溝正史が書いたら、100倍もおどろおどろしく淫靡になると思うよ。

 毒草師が主人公だけあって、毒草の知識も豊富に書かれているが、筆者の高田崇史は薬科大学卒業なんだ。なるほど。
 人気があるんだろう、続編も出ているようだ。これも読んでみたい。
コメント
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