ケイの読書日記

個人が書く書評

西澤保彦 「収穫祭㊤㊦」

2014-04-04 16:38:19 | Weblog
 西澤保彦の小説って、短編を少し読んだ事あるけど、こんな作風だったっけ?


 1982年夏。台風で橋が流され孤立した、住民14人の村で、大量殺人事件が起きる。大多数がノドを鎌でかき切られ、辺りは血の海に。
 生き残ったのは、中学生3人と教諭が1人。犯人は、現場から逃走し、事故死した外国人と断定されたが、多くの謎が残った。
 9年後、あるフリーライターが事件を再取材するや、またもや鎌で人が殺される事件が起こる。

 うわー、津山事件(八墓村のモデルとなった岡山県の大量殺人事件)みたいだ! と、最初の方はドキドキして読んでいたら、どんどん雰囲気が変化して、これってバイオレンスアクション? それともポルノ?という感じに…。
 そのうえ、長い、長すぎる。第1部が評判良かったので、無理して引き延ばしたのかしらん? どう考えても、傭兵タイプの欧米系美人は余分ではないか? それに、アメリカ大使館員とかミッションとか、話が破たんしている。

 鎌を使って、一撃で人を殺せるのかなぁ? 津山30人殺しでは、猟銃と日本刀だった。それでも何人かは逃れ、近所に助けを求めたり、隠れて助かった。
 日中に、起きている大人を、ましてや鎌で、簡単に致命傷を負わせることはできるんだろうか? はなはだ疑問。

 小説内で、40歳くらいの中年女が、従兄弟と組んで、自分のポルノ写真を作って売ろうとする場面が出てくる。同居している自分の母は黙認していたとしても、村人14人の村で、ばれない訳がないじゃん。
 それに、ほこりだらけの廃屋で(過疎の村だから、いくらでも廃屋がある)マットレスを敷いて逢引きって…。あまりにも悲しい。
 そういった、性的に開放的な村だったんだろうか? この村は?
 都会より農村部の方が、夜這いの習慣が残っていたりして、性的にオープンだという話も聞いたことがあるけど。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする