これがシリーズ第2弾。先日読んだ『容疑者Xの献身』の前の作品集。
ここまでくると、湯川・草薙コンビもだいぶこなれて来て、二人の会話も掛け合い漫才風になる。特に、第5章「予知る(しる)」にその傾向が顕著。くすくす笑いながら読んだ。
「君から科学とか真理とかいう言葉を聞くと、21世紀に期待を持てそうな気がするから不思議だ」
湯川が、オカルト事件専従になりつつある草薙に投げかけた皮肉。
草薙は、オカルトめいた事を科学的に解き明かそうとすると、意外な真理が見えてくる事に気づいたのだ。殊勝な心がけではないか!!
東野の小説を読んでいると、筆者が女性に対して、かなりシビアな見方をしている事に気づく。
一人の男をめぐる二人の女の争い。それも、その二人は、かつての親友だった、なんて設定はよくある。これなんか、筆者の実体験が、かなり影響しているんじゃないかな。
その他、男を追いかける女が、最初は結婚など全く興味なし!と宣言していたのにもかかわらず、次第に男に結婚を迫る、という設定もよく出てくる。
これも、東野が実際に経験したんだろう。なにせ出版業界は、高学歴の独身女性だらけで、東野はイケメンの売れっ子作家だしね。
東野はお姉さんがいるようだが、女に夢を持たないというか、女の裏側を知っているというか…。
そういえば、草薙刑事にもお姉さんがいて、あれやこれや指示されてムカムカしている割には、お姉さんに従順だなぁ。いろいろ相談にのってあげている。
湯川って兄弟姉妹いるのかな?ホームズにはお兄さんがいたけど。 いたら面白いだろうね。