ケイの読書日記

個人が書く書評

東野圭吾「禁断の魔術」

2014-05-13 16:00:53 | Weblog
 ガリレオ8。ブックオフで見つけて、大喜びで買った。(図書館で予約しているが、まだ先になりそうなので)
 しかし内容は…ビミョーですねぇ。

 なぜかと、色々考えたが、人情話に傾きすぎるんじゃないかなぁ。

 例えば、第2章「曲球る(まがる)」 東野圭吾は大阪出身なので、野球にすごく思い入れがある。これはTVドラマでも、元ヤクルトの古田が出演して話題になったが、出来はイマイチ。小説の方も、残念な出来。
 球団を自由契約になった選手と、車上狙いに殺された妻の夫婦愛の物語なんだが、つまらない(失礼!) 一応、奥さんが持っていたプレゼントの相手がミステリ仕立てになってはいるが、読んだ後で、時間をムダにしたなと感じてしまう。夫婦の絆で、ホロリとさせたいんだろうが。

 第4章「猛射つ(うつ)」では、湯川の愛弟子・古芝が、姉の復讐を企てるが、それを阻止しようと、湯川は驚くべき行動をとる。
 湯川が事件の渦中に巻き込まれ、当事者になってしまい、感情移入しすぎる。もう少し、客観的に見ていた方が、湯川の魅力が発揮されるのでは、と少し残念。
 古芝は、湯川の愛弟子と言っても、大学の教え子ではない。古芝は、湯川の出身高校の、物理クラブの後輩。クラブの部員が少なく廃部になりそうなので、面白いデモンストレーションをして部員を獲得しようと相談したのが、湯川なのだ。
 湯川は、高校時代、バトミントン部と物理クラブ、両方に入っていたらしい! 湯川の母校は、超進学校で、運動部はどこも弱かったが、バトミントン部だけは例外だったようだ。

 ああ、断片的にでも、こうやって湯川に関する情報が読めるのは嬉しいね。

 でも、こうやって、かつて関わりがあった生徒たちが湯川の研究室を訪ねてくるのなら、あの『真夏の方程式』の恭平君も、そのうち登場するだろうか? うーんと大きくなって。でもそうすると、湯川が50歳位という設定になるから、私としては読みたいような、読みたくないような…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする