装丁がとても美しかったので手に取ったが、なんと!この本も、先回のブログ『残穢』と同じく、家に関する因縁話を題材にしているお話なのだ。偶然にも。
でも、小野不由美の『残穢』は、日本の土着信仰・風習が色濃いホラーだったし、背筋が寒くなるような所があったが、この恩田陸の「私の家では~」は、西洋の話だからか、血みどろの惨劇でも、どこかロマンチックで美しくさえある。
ウサギの巣穴に足をとられ、転ぶシーンがよく出てくるが、ピーター・ラビットを思い出すなぁ。野ウサギって、茂みの中に巣を作るんじゃなくて、土を掘るんだね。知らなかった。
読み進めていくと、最後の方など、コメディになっている。
小さな丘の上に建つ二階建ての古い古い家。今、この家には、中年のあまり売れない女流作家が住んでいる。でも、過去には様々な惨劇の舞台となっていた…。
アップルパイが焼けるキッチンで、殺しあった姉妹…。
近所でさらってきた子どもたちを解体して、主人に食べさせていた料理女…。
床下の動かない少女のかたわらで、自殺した、殺人鬼の少年…。
この古い家は、近所でも評判の幽霊屋敷で、心霊スポット。だから、見る人が見れば、幽霊たちがギッシリ満杯なのだ。
「幽霊屋敷マニア」が押し寄せ、写真を撮りたがり、中を見せろ、不思議な話がないか聞かせろ、と迫る。
霊がいる、呪われていると騒いで、お祓いや、降霊会をさせろと、ごり押ししてくる人たち。
考えてみれば、こういったマニアックな人たちの方が、大迷惑で、何もしない幽霊など、ありがたい同居人なのだ。本当に、こんな素敵で美しく優雅な幽霊屋敷だったら、私も住みたいです。
でも、小野不由美の『残穢』は、日本の土着信仰・風習が色濃いホラーだったし、背筋が寒くなるような所があったが、この恩田陸の「私の家では~」は、西洋の話だからか、血みどろの惨劇でも、どこかロマンチックで美しくさえある。
ウサギの巣穴に足をとられ、転ぶシーンがよく出てくるが、ピーター・ラビットを思い出すなぁ。野ウサギって、茂みの中に巣を作るんじゃなくて、土を掘るんだね。知らなかった。
読み進めていくと、最後の方など、コメディになっている。
小さな丘の上に建つ二階建ての古い古い家。今、この家には、中年のあまり売れない女流作家が住んでいる。でも、過去には様々な惨劇の舞台となっていた…。
アップルパイが焼けるキッチンで、殺しあった姉妹…。
近所でさらってきた子どもたちを解体して、主人に食べさせていた料理女…。
床下の動かない少女のかたわらで、自殺した、殺人鬼の少年…。
この古い家は、近所でも評判の幽霊屋敷で、心霊スポット。だから、見る人が見れば、幽霊たちがギッシリ満杯なのだ。
「幽霊屋敷マニア」が押し寄せ、写真を撮りたがり、中を見せろ、不思議な話がないか聞かせろ、と迫る。
霊がいる、呪われていると騒いで、お祓いや、降霊会をさせろと、ごり押ししてくる人たち。
考えてみれば、こういったマニアックな人たちの方が、大迷惑で、何もしない幽霊など、ありがたい同居人なのだ。本当に、こんな素敵で美しく優雅な幽霊屋敷だったら、私も住みたいです。