三島由紀夫の美意識が、全ページに流れていて、三島ファンだったら大喜びだろうが、私では…ちょっと難しい。荷が重いです。
昭和25年に実際起きた、金閣寺放火焼失事件を題材にした、三島由紀夫の代表作。
放火した僧の、内心の葛藤はさて置き、表面的には、こういったストーリーです。
山陰の田舎寺の青年が、金閣寺で修行することになる。金閣寺の老師と、青年の父親が、若い頃一緒に修行した仲だという縁で、金閣寺に預けられることになったのだ。父親は、その後、結核で亡くなり、母親は、寺の権利を売って、親せき宅に身を寄せる。
老師には、子どもがおらず、ゆくゆくは息子が老師の跡を継いで、金閣寺の住職となる事を、母親は夢見ている。
しかし、青年は、老師がどうしても尊敬できず、自分の立場が悪くなる事ばかりするようになる。
とうとう老師から、跡継ぎにするつもりはないときっぱり言われ、出奔した青年は「金閣を焼かなければならぬ」という考えに取りつかれる。そして…。
もちろん「金閣を焼かなければならぬ」という想念に囚われるまでには、単純ではない、様々な感情の起伏があった。特に、柏木という奇矯な友人と出会ってからは。
この青年は「理解されないということが、私の存在理由だった」というほど、難しい人だからなぁ。
実際の放火僧は、動機について「美への反感」と語ったそうだが、そんな観念的な理由ばかりではなかったのかも。(三島は怒るかもしれないけど)
父親が死んで、相続するはずだった寺の権利を母親が売ったので、帰るべき場所が無くなった青年。親代わりになるはずの老師との不仲。「美への反感」もあるが、将来への経済的な不安が、どうしてもぬぐえない。
老師にすべて握られているという苛立ち、それを破壊するために、自分を破滅させたのでは?
昭和25年に実際起きた、金閣寺放火焼失事件を題材にした、三島由紀夫の代表作。
放火した僧の、内心の葛藤はさて置き、表面的には、こういったストーリーです。
山陰の田舎寺の青年が、金閣寺で修行することになる。金閣寺の老師と、青年の父親が、若い頃一緒に修行した仲だという縁で、金閣寺に預けられることになったのだ。父親は、その後、結核で亡くなり、母親は、寺の権利を売って、親せき宅に身を寄せる。
老師には、子どもがおらず、ゆくゆくは息子が老師の跡を継いで、金閣寺の住職となる事を、母親は夢見ている。
しかし、青年は、老師がどうしても尊敬できず、自分の立場が悪くなる事ばかりするようになる。
とうとう老師から、跡継ぎにするつもりはないときっぱり言われ、出奔した青年は「金閣を焼かなければならぬ」という考えに取りつかれる。そして…。
もちろん「金閣を焼かなければならぬ」という想念に囚われるまでには、単純ではない、様々な感情の起伏があった。特に、柏木という奇矯な友人と出会ってからは。
この青年は「理解されないということが、私の存在理由だった」というほど、難しい人だからなぁ。
実際の放火僧は、動機について「美への反感」と語ったそうだが、そんな観念的な理由ばかりではなかったのかも。(三島は怒るかもしれないけど)
父親が死んで、相続するはずだった寺の権利を母親が売ったので、帰るべき場所が無くなった青年。親代わりになるはずの老師との不仲。「美への反感」もあるが、将来への経済的な不安が、どうしてもぬぐえない。
老師にすべて握られているという苛立ち、それを破壊するために、自分を破滅させたのでは?